第32話 綺麗好きの下克上

 自他ともに認める病的な潔癖症の俺はある日、友人が運転していた車の事故に巻き込まれて死んだ――はずだった。


 次の瞬間見えたのはまったく知らない女性の顔が見える。どうやらこれはいま流行りの異世界転生というものらしい。


 まだ死ぬつもりなどまったくなかったので、非常に僥倖だったが、俺が転生した異世界は史実の中世ヨーロッパのごとくうんこまみれのクソ不潔な異世界だった。


 潔癖症の俺にうんこまみれの世界など耐えられるはずもなく、ある日決意をする。


 このくそ汚い異世界を清潔な環に境変えてやる。そうすればだいぶ遅れた文明の世界でも多少は快適になるはずだ。


 俺の俺による俺のための異世界清潔化物語が始まる。

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