第23話

「さっき、小学千年生とか言ってたけど、それって、小学一年生を冗談、いや大袈裟に千年と言ってるのかな?」


「そんなことないよ。そのまんまの意味で千年過ごしてるよ。あたしは小学千年生なんて長い感じがするから、どこかで聞いたことのある高校生と呼ぼうよって言ってるけど、誰も耳を傾けないよ。」


「そ、そうなのか。じゃあ、最上級生で、下にたくさん後輩がいるんだな。全然、じゃなくてあまり人を見かけなかったけど。」


「後輩なんていないし、人口も少ないよ。このあたりで出会う人は、吝奈ちゃんとキューリー夫人博士だけだよ。」


「そ、そうだよな。ハハハ。・・・。はあ。」

溜め息をついた昆太はさらに未解決の疑問を問うていく。


「箱子は享年何歳なんだ?」


「死んだ人扱いはひどいよ!何歳かはわからないけど、千歳をかなり超えてるような、そうでもないような。」


(ダメだな、これは。)

心で断定しつつも口には出さない昆太。


「千年も生きてるって、スゴいな。」


「そんなことないよ。みんなそれ以上生きてるし。そもそもみんな死なないし。」


「死なない?それって、もしや。」


「うん。不老不死だよ。ヤマンバ族、狼族、吸血鬼もみんな不老不死だよ。」


「そして誰も年を取らず、死ぬこともなく、幼いまんまということか。忌々しいお父さんとかはいるのか?」


「お父さん?なにそれ?お兄ちゃんと同類なのかな?」


「まさかここには女子しかいないんじゃ?」


「そうだよ。そんなの、当たり前じゃない。」


「ま、まさに不老不死のロリ妹だらけの桃源郷だ、ハーレムだ!」


「桃源郷?ハーレムって何?もしかして桃とか、ハムとかが出てくるパーティーのこと?それなら聞いたことがあるよ。都市にそんな施設があるって、朝田先生が言ってたよ。」

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