307. 私は家族を置いて亡命する

Sunday, January 13, 2019



 私は父方の祖母の家に親戚と集まっていた。母親はアメリカにいたので不在だった。私達が遊んでいると突然テロリスト達が、10時間後日本全域に爆弾を落とす、と宣告した。私達はどうにか逃げようとしたが、政府から町中に爆発物の処理とテロリストの捜索命令が入ったので、私達は棒を持って出掛けた。


 私は途中、太い枝に足を刺してしまったので、足首を自力で切断した。私は友達1人と2人の従兄弟を連れて、川で食用の魚を釣り、大きいものはその場で三枚おろしにした。アルミホイルを固めて、とても硬い長靴を作った。私達は家のある方へ戻った。夕方をなっていた。


 戻る途中、私達は何機もの飛行機やヘリコプターが頭上を飛んでいるのに気づいた。追ってみると広場に大勢の人が集まり、互いを押し合っていた。沢山のバルーンに人が乗り込み、広場にあるピアノが弾かれると、バルーンが浮かんで飛んで行った。係員のような男に説明書をもらうと、捜索命令を出された一部の人間以外は、このバルーンで飛行場まで飛んで行き、アメリカへ逃れる事になっていると知った。私達は憤った。


 すると、向こうから捜索命令の出されていない叔父がやってきた。叔父に説明書を見せると、叔父は最初に書かれた購入推奨品に長靴とあるのを見て、これでは足を守れないだろうと指摘した。そして叔父は、アメリカにいる私の母が空港で待っている。自分は先に飛行場で待っていると言った。私は友達と従兄弟と話し合い、時間がないので、今すぐに亡命事を決めた。


 私達は逃亡用のバルーンを束ねる長い紐の束にしがみつき、友達がバルーンを飛ばすピアノの演奏者にある曲を、高めのキーでとリクエストした。曲が演奏され、バルーンが飛び立った。下から罵声も聞こえたが、私は無視した。私達は9人の叔父と叔母、4人の従兄弟、そして父と弟を置いて、飛行場へ向かった。


 飛行機に乗り込む時、案内人から説明を受けた。その案内人は叔父の1人だった。私は気まずくなりながらも挨拶すると、叔父は私を無視した。飛行機の中では、叔父1人と私、友達1人、従兄弟2人で乗った。叔父は、私の失くした足は、魚の尻尾にしたらどうかと冗談を言ってきた。アメリカに着くと、母は待っていてくれた。アメリカの家は日当たりのいい白い壁の家で、日本の家と似ていた。母がラジオを流しながら夕飯に私を呼んだ。テーブルには、父と弟の箸が並んでいた。


 ──そして目が覚めた。夢でよかった。

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