286. 私はホラーゲームで遊ぶ

Sunday, December 23, 2018



 私はゲームセンターにいた。そこには大勢の人が集い、ある最新ゲームに勤しんでいた。特に人気だったのは、「胡蝶貴婦人」というVRバーチャルリアリティ式ホラーゲームだった。長く続くシリーズの中でも、ファンが特に傑作と評する人気作品だった。私も遊んでみる事にした。


 ステージは、港の裏路地のような寂れた場所だった。辺りには血が飛び散り、恐ろしげなBGMが流れていた。1つ目の角を曲がると、向こうから露出の多い白いワンピースを着た血塗れの女性が、とてつもないスピードでこちらに向かってきた。私は驚いたが、向かってくるだけで別段襲って来る様子は無く、私は女性をマジマジと観察した。


 すると奥から黒い着物を着た女性も、電光のような速さでやって来た。私はなるべく女性達に触れないようにして、奥へと進んだ。奥には倉庫のような建物があり、中に入ると全身を拘束された女性が、恐ろしい呻き声を上げていた。その女性はじっと見つめる私を見つけ、カッと目を見開いた。私はそのまま倉庫を出た。


 ──そして目が覚めた。

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