ナイチンゲールデー

拝啓、猫先生

 暦の上では夏とはいえまだ5月。

 にもかかわらず真夏日に迫るほど暑い日が続いていますが、木陰を見つけてのんきにお昼寝をして過ごされているでしょうか。

 今日は六曜の一つ、大安。

 というわけで親戚の結婚式があり、親が出席してきました。

 結婚の話を最初に聞いたのは昨年の秋でしたが、正式に決まるまでは口外してはいけないと言われて黙っていました。

 決しておしゃべりではないのですが、親の中ではおしゃべりの烙印が押されているようです。

 小学生の頃、他所の家に行って親戚の面白い話をしたことがよろしくなかったと注意されたことがあったのですが、そのことを未だに根に持っているのかもしれません。

 どういう事を話したのか覚えがありませんが、いいところを探すほうが難しいような御仁で、本日結婚した子の親です。

 反面教師にしていてくれたら幸いなのですが、なんと申しましょうか詰めがあまあますぎて糖尿病の敵でもあるグラブジャムンやジュレビに匹敵するのでは、というのはウィットに富んだジョークなのかはさておいて、兎にも角にも幸せな家庭を気づいていってもらいたいものです。

 小さい頃からよく知っていて、顔をあわせるたびに「おんぶして」と言われました。幼かったのでせがまれてはおんぶしました。別にその子だけ、というわけではないのですけれど、わたしは子供の頼みを断らないことにしていました。その性格は今もあまりかわっていないのですけれど。

 成長するとさすがにおんぶをせがまなくなる、というのが一般的かと思います。

 断らなかったからなのでしょうか。

 その子が中学二年生になるまでおんぶをしていました。

 年に数えるほどしか会わなかったし、挨拶のハグみたいなものです。

 おんぶをしなくなると、今度は足蹴りをしてくるようになりました。

 女の子の喧嘩で用いられる通常ウェポンです。手よりも足の方がリーチは長く、打撃力が強いことを女の子なら身をもって知っているからです。

 そんな足蹴りを軽やかに受け流す術を持ち合わせていましたので、挨拶の足蹴りもまた楽しいものでした。

 絞り出せばいろいろと出てきます。

 経験を積み重ねてきた記憶を持ち合わせているからです。

 ありがたいものです。

 明日もまた暑くなるのでしょうか。

 最近、まったくおみかけしませんけれど、猫先生もやみなさんも体調にはお気をつけください。猫先生にもいいことが訪れることを切に願います。     敬具。

 

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