人波

 満員の電車で

 繁華街の交差点で

 人波に流されていた

 誇れるものが無いから当然であった

 能力の低いことは

 小学生の時分に

 うっすら気付き始めていた

 それだけならまだ良かった

 どうやら私は

 性根の方も腐っているようである

 それでも生きねばならなかった

 色々やってきた

 本当に色々と

 しかし どれも駄目みたいだ

 今日まで生きてみて

 この手には何も無いのである

 いっそ寿命が来たらと

 何度考えたか分からない

 明日からどう生きたらいいのか

 それすら答えが出ない

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