回顧

 揺籠の様な心地よい振動の中で

 いつのまにか眠りに落ちていた


 私は車に乗っていた

 運転しているのは五歳の私だろうか

 何にでもなれる、そう言っていた


 私は電車に乗っていた

 隣に座っているのは十歳の私だろうか

 どうも特別ではない気がする、そう言っていた


 私は船に乗っていた

 港で手を振るのは十五歳の私だろうか

 今が楽しければ良い、そう言っていた


 私は飛行機に乗っていた

 行先は二十歳の私だろうか

 生まれた意味が分からない、そう言っていた


 起きたらいつもの私だった

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