第9話

 達也は手紙を書こうとは決めたものの内容が思いつかず、書き終えた時には新しい年を迎えていた。新年最初に会うのは彼女がいいと思った達也は、急いで支度をし彼女の家に向かった。彼女以外の人に会わないように、パーカーのフードを深くかぶって。


 達也が彼女の家に着いて少しした頃、振袖を着た彼女が出てきた。その彼女があまりにも美しく、残しておきたいと思った達也は彼女の写真を撮った。最近の携帯のカメラは機能がよく、とても高画質で撮れる。そのため、達也の満足する写真が撮れた。彼女は初詣にも行くのだろうか。彼女のこの後の行動を知るために、達也は SNSを見た。


“初詣は毎年恒例、明治神宮!今年は振袖着てこー”


 達也は少し遠くにある明治神宮に行く彼女のことを心配になり、ゆっくりと彼女の後を追った。明治神宮が近づくにつれ人が多くなり、彼女を見失ってしまった。もう一度SNSを確認する。


“おみくじ大吉!今年はいいこと起きるかなぁ笑”


 この投稿が数秒前。達也はまだおみくじ売り場の近くにいると思い、人混みをかき分け彼女のもとへ向かった。


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