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ラスボスはごくごく単純なものだった。「円盤」と呼んだり「岩」と呼んだり。宇宙船だとか敵の母船だとか、逆にそう呼ぶほうが違和を抱かせる、そんな造形。誰かが「空飛ぶ灰色のエアーズロック」と表現したが、喩えが的確すぎて少しだけ笑った覚えがある。だからここでは「エアーズロック」と呼ぶことにしよう。あの喩えを聞いてから、僕自身もそう表現している。「エアーズロック」は世界各地の上空に突然姿を現した。時期で言えば四月。僕は高校三年生になっていて、戦い自体も、そろそろ終盤に突入する頃。つまり敵の猛攻撃が始まる直前だ。能力を持たない一般人に「エアーズロック」は見えていなかった。僕だけが上空を見て、僕だけが驚いていた。下校途中のことだ。周りの目には異様に映っていたかもしれない。同じように、僕の目にも、「空を飛ぶ巨大な灰色の円盤みたいな岩石」は異様に映っていた。それが敵の拠点だと知るのは、家に帰ってからだった。
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