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北条がいなくなってから、僕の戦闘能力は全盛期を取り戻していた。持っている能力をフルに使い、敵を一掃した。圧倒した。制圧した。支配した。しかし、なんとなく充実しなかった。満たされるべき僕の心の中に、気泡のように空間が残っていて、幾ら埋めようとしても叶わなかった。それが北条のことだとは、全く。もうすぐ日常の名を取り戻すことになる学校生活にて、彼女を探したりもした。学校にも来ていないようだった。当たり前か。異次元の中で彼女は失踪したのだ。今更三次元世界のどこに彼女がいるというのか。自室のベッドに寝転がり、彼女の事を考えたりもした。ある日フラッと彼女が帰って来はしないか、あるいは戦闘中に突然現れて僕の戦いをサポートしたりはしないか、とか。色々と考えていた。そういう妄想に限って具現化しようがないのだ。その時は少しもどかしさを感じた。【ナレッジ】は未だに彼女を捕捉できていなかった。全く、北条はどこへ?

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