賭け事の代償

 テレビを見ていて、ふと思い出した。

 昔、貧乏学生だった頃、仲間四人で麻雀をよくしていた。

 たまに金を賭けていたのだが、ある日その場では支払えなかった事がある。

 金を払えないと、何度も何度も謝った俺に、あまり親しくない彼はなんと言っただろうか。


 そうだ、確か……。


「気にするな。あとで必ず、代わりをもらうから」


 しかし彼にお金を返す前に、亡くなってしまった。

 だから未だに、返していないというわけだ。


 今更こんな事を思い出して、どうということもないが。

 何故だか、物凄く嫌な感じがした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る