幕間 とある少女の日記

 私は疲れていました。何に、と聞かれれば、この、呪われた生に。

 誰に愛されるはずもありません。私のような人間が。


 壊れた瞬間は、思ったよりもあっけなくて。親友だと思っていても、彼女は私の先を行ってしまって。

 こんなにも泥沼に絡まった私たちは、何になろうと言うのでしょうか。


 お父さんもお母さんも、もう教えてくれません。

 婚約者や親友でさえも私を……

 姉妹がいたら、何かが変わったのでしょうか。

 お父様とお母様が死産したと聞く度、そう思うのです。

 姉妹がいたら、この立場を共有できたのだろうか、と。


 その話をしたら、彼は笑っていました。

 私だけの彼。私にしか存在しない彼。

 だからでしょうか、彼からその計画を聞いた時、私は浮かばれるような気持ちでした。


 ――この世界に呪いを。死にゆく私の心に祝福を。


 細胞が壊死するぐらいに恐ろしくも、それは馨しい言葉であったのです。

 私は、迷わずにその手を取りました。


                          〇月〇日 私はロベリタ

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