詩集:ある日の景色、路地を往く猫のまっすぐ伸びた影

阿瀬みち

色が降ってくる


 色が降ってくる。

 たくさんの色

 雲を通って

 木の葉がそれを受ける。


 浴びる

 浴びる

 浴びる


     あ、あの透き通ったトルマリン


 あ、どこまでも透明なターコイズの


 ブル――――――――――――――――――



 黄色い光の渦が

 回る

  回る

 回る

              赤

               赫

             あかい


 す、き って言えなかったとき

                      の


         あの  

         憂鬱な緑がかった黄色―――――――――――


 

 い わを穿つ

 水のお と 


 色が降ってくる

     る、る、る


 わ 

   たしは それを

          受ける


     る、る、る、る


 染まる

  染まる

 染まる


 色が降ってくる


 あ の

   おおきな

 太陽の ひ かり

 

       り、り、り


  澄んだ

   砂の

  透明

 な

  石英の

 つ

  ぶ


     触る

    触れる

   ふれる

    ざら ついた感触が あ、

   肌の

  上を

    熱

     灼ける

 


 ジャリ

      砂粒を噛んだ

           噛んだ

 

               その

              歯の白さに

       ひれ 伏した季 節が わ

                  たしを

   

  

  い つまで も 


           離 さない 

  

         で




 色

   が 降っ

       て 

         く 


 る 


   から

    わ たしは

 た     

  だ


 染まる 

 

  染まる


     染まる 沁みる


      沁みだした心の色ま で 

                見えな

               い 眼鏡で  


            見通して




 手 



     を

      離す 

        な

         って



                声  




             に怯え て 

  

      太陽が 翳った の で


         鉄さびの いろの 


           ヒ り ついた


          痛 

         みが

                心臓 

                  の奥に 刺さったま 

                         ま 抜けな

                               い






     そ 

      れは抜けな

          い 棘、

              棘  

             トゲ


                   咎 

                    を うけて




             

               いろが かさ なる


                     かさ なる 

                      

                          る 

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