7 お爺さんは山に芝刈りに…何て昔話

お爺さんはスーパーに暇つぶしに…

 キャッシャーが10台ぐらい並び、支払いを済ませ品物を袋に入れる台がずらりと並ぶ側に休憩コーナーがあり、テレビの前にはテレビに向けて何台かの長椅子が乱雑に置いてある。

 そこに老人達が所在無げに何となく座ってる お爺さんばかりだ…。

 殆ど口は聞かない。老人は昔からこんなに覇気の無い無表情な顔ををしてたのかな…名々テレビを見つめてる。

 突然、カートを2台重ねてそろりそろりとやってきたお婆さんが

座ってるお爺さん達の足を薙ぎ倒しカートをテレビに横付けすると

バンバンバンとチャンネルを変えた……何!誰?

みんなテレビ見てるのに…

お婆さんはお爺さん達の間に割り込むように腰を下ろした。

 端の席のお爺さんは弾き出されよろよろと立ち去った。

テレビを見てたお爺さん達は無表情に回されたチャンネルを見続けている。

口を真一文字に結んだ頑固そうなお婆さん。

 フリフリのブラウスとレーシーなブラウスを重ね着して、引き摺るようなロングのスカートをはいて黒い帽子を被っている。

何世紀か昔の西洋のおばあさんみたいで、童話の挿絵のようで、

何か可愛いいが…お洒落なのか?何なのかちょっと分らない。

 大体何でカート2台重ねてるのかも分らない。重くて大変だろうに

訳わかんないけど、何人かいたお爺さんを蹴散らしてカートと一緒に椅子をぶんどった

 お婆さんの勝ちだ…お爺さんは自ら負けていく…一線を退くとお爺さんはもう…戦う場所にさえ立たないね…。


 春日和って今日みたいな日を言うのかな

何か気持ちが良い 日差しに目を細めて真正面から浴びた…。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る