決戦にて みんなの反応とまだまだ続く予感
百個の深緑色の実を触媒にした
「ちょっとやりすぎたな」
「ちょっとどころじゃない‼︎ ヤート‼︎ 何がどうなったら、何もないかった荒地が
「
「覚えてはいる。覚えてはいるが……、さすがにこの規模はおかしいだろう」
「魔石の数が多かったから、それに合わせたつもりだったんだけど過剰だったみたい。たぶん、半分でも余裕だったね」
「これだけの現象を起こしたんだ。身体は大丈夫なのか?」
「うん、あの三人にも言ったけど、魔法の発動に必要な魔力は
「……それなら良い。それと良くやった」
「うん、ありがとう」
ラカムタさん達が頭を撫でてきて、
「ナイルさん」
「…………」
「ナイルさん?」
「…………」
「ナイルさん‼︎」
「ハッ‼︎ な、なにかしら? ヤート君」
「聞きたい事があるんだけど良い?」
「え、ええ、大丈夫よ。私に答えられる事なら」
「ここって、どこかの国の領土になってる?」
「一応、アムゼム帝国の領土内だけど重要度はかなり低かったはずよ。イン‼︎ ここはどういう扱いになってるの⁉︎」
ナイルさんが呼びかけると気を取り直したインダスさんが来た。他の人達は、まだまだ唖然としてたり自分の頬をつねったりしている。…………夢だと思ってるのかな?
「ナイルの認識であっている。ここは帝都からも遠すぎて管理や巡回が簡単にはできない場所なんだ。それゆえに教団の占有を許してしまったとも言えるが、その点は許してもらいたい……」
「あ、責めるつもりは全然ないから気にしないで。ここに植物達がいて良いのか聞きたかっただけだから」
「……ヤート君、どうするつもりなの?」
「とりあえず、今はこのままで教団関係の問題が片付いてから移動してもらうつもり」
「移動……? 植物が……?」
「うん、そうだよ。あー、説明するより見てもらった方がわかりやすいかな。みんな、町のあった場所まで道を開けて」
「ヤート殿、何を……?」
僕の呼びかけに答えて森が揺れ始める。ナイルさん達は驚いて武器を構えたりした。しまったな。オイリス以外の
そんなわけで見守っていると、植物達は音を立てながら左右に分かれていった。さすがに見上げる高さの物体が、それも一体二体じゃなく視界にある全ての存在が動くと迫力がある。一応、植物達が動いてる最中に
「インダスさん、こんな感じでこの場所に森があるのがまずいなら
「え……? ええ……?」
「インダスさん?」
「馬鹿な……。こんな事が……?」
あれ? インダスさんは僕の声が耳に入ってないみたいだ。うーん……、ナイルさん達も同じ感じだな。あの砦みたいな町の跡とあの叫んでた三人を探してたいんだけど、どうしよう。とりあえずラカムタさんに相談するか。僕はラカムタさんのもとへ戻った。
「ラカムタさん、あの魔石が町に化けてた場所に行きたいんだけど良い?」
「あー……、まあ、確認は必要だから良いだろう。ナイル殿達には俺から声をかけるから少し待ってろ」
「うん、わかった」
ラカムタさんがナイルさん達のところへ行くのを見ていたら、
「……
「ブオ」
「アナタガ先走リソウナ気ガシタノデ念の為デス」
「そうなんだ……」
なんか納得できずにいると肩をリンリーが触ってきた。
「ヤート君、あれだけの大規模な魔法を発動させたんです。少し休んでください」
「リンリー、僕は休むほど疲れてないから大丈夫。それよりも
「わかりました。静かにしてます。何かあったら言ってくださいね」
「ありがとう」
僕は目を閉じて
油断するつもりは元々ないけど、まだまだ戦いは続くみたいだから、もう一度気を引き締めよう。
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◎後書き
最後まで読んでいただきありがとうございます。
注意はしていますが誤字・脱字がありましたら教えてもらえるとうれしいです。
感想・評価・レビューもお待ちしています。
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