決戦前にて 本拠地への考察と取り合い
みんなの回復を待っている中、
僕達のいる合流地点は荒れ地で起伏があまりないひらけた地形なんだけど、本拠地のあるところのみ台地になっている。しかも、その台地は三方が切り立った崖になっていて、残りの砦のような町に面しているところだけなだらかな斜面になって降っているという、まさに守るに易く攻めるに難いと言った感じだ。
周りを見渡しても同じような台地はないのに、何でここだけ台地になってるだろ? 誰かがここを意図的に台地にしたって言われても納得してしまうくらい不自然なんだよね。
それに本拠地とか町に住んでる人達の飲水とかはどうしてるのかも気になる。一時的な遠征とかなら
ナイルさん達の話だと、それなりの数の人が生活しているらしいんだけど
「ヤート君、今時間あるかしら?」
「うん、大丈夫だよ。回復してない人がいるの?」
「どの子も順調に回復してるから違うわ。要件はこの子達の紹介よ」
ナイルさんが後ろにいる人達を手で指したから視線を向けると、全員が僕に興味津々という目で見てくる。
「この子達は各国の騎士団総団長とその副団長や副官よ」
「うーん……、総団長さん達は、いろんな意味でナイルさんと同じ感じだね」
「あら、わかる? この子達とは昔から競い合ってた仲なの」
「見るからに強そうっていうのはわかるから、やっぱりそうなんだ」
僕が感心してると、ナイルさんの後ろにいる総団長の一人がナイルさんの肩をガシッとつかむ。
「ちょっとナイル‼︎ 私達の事を早く紹介しなさいよ‼︎」
「ヤート君に興味津々だからって興奮しすぎよ。落ち着いてちょうだい」
「ナイルさん、僕から自己紹介した方が良い?」
「あー……、まずはこの子達の紹介をさせてもらうわ」
そう言ってナイルさんは、肩をつかんでいた人を前へ押し出す。
「この子は
「あなたがヤート君ね。ナイルからおもしろい子がいるって聞いてたから楽しみにしてたの。
「僕は黒の
「私の事は気軽に
「うん、わかった」
まあ、でも、人は見かけによらないともいうし実際はバリバリの武闘派かもしれないと考えてたら、突然ガバッと抱き上げられた。
「いやーん、想像してたより、ずっと可愛いじゃない‼︎ 持ち帰りた、きゃっ‼︎」
僕を抱き上げた
「ナイル‼︎ 何するのよ‼︎ 痛いじゃない‼︎」
「それはこっちの台詞よ‼︎ ヤート君が可愛いのは認めるけれど、いきなりヤート君に変な事しないで‼︎ 私だって我慢してるのに‼︎」
「ナイルは、これからだって会おうと思えば会えるでしょ。私達は今を逃したらヤート君と簡単には会えないんだから譲りなさいよ‼︎」
「教団の本拠地が見えるところにいるんだから状況を考えなさい‼︎ あとヤート君を持ち帰りとか、そんなうらやましい事は絶対にさせないわよ‼︎」
「それなら私の腕を弾く前に口で言えば良いじゃない‼︎ ナイルこそヤート君を離して‼︎」
二ルーメ以上の巨漢であるナイルさんと
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◎後書き
最後まで読んでいただきありがとうございます。
注意はしていますが誤字・脱字がありましたら教えてもらえるとうれしいです。
感想・評価・レビューもお待ちしています。
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