第48話

少しよぎった不安が、だんだん大きくなった。

ちょっと考えれば、ぶつかる問題だったはずだ。

当時だったら考えもしなかったかもしれない。

けど今はちがう。

俺は、2回目なんだ。

そして今のこの状況も、前と違う。

何が起こるかわからない。

俺が、枇杷島とずっとバスケをやろうとしても

そうならないかもしれない。


「それじゃあ、まずはそれぞれじゃんけんしてもらおうか。」

「お互い3:3に分かれて交換でチーム組むってわけ。」

「ええ、大学生VSってやつやんないんすか!」

「青春漫画の読み過ぎ〜。もっと効率考えて練習しなきゃね。」

「そうそう。ポジションとか考えずに、ね。」


ポジションを考えない、か。


「不安、ですか。」

「津島は?」

「僕は、ちょっとね。梅田さん以外とちゃんとチームプレーできるかなって。」


津島もおそらくガードだ。

彼と組むとなったらどういうスタイルになるか、不安とわくわくがいりまじっていた。

おれってこんな楽しみかた、できたんだな。

それに大学チームだってどんなプレイスタイルもわからない。

構成していくのが楽しみだ。

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