第32話
最初はその関西弁が苦手だった。
言い方がきつくて、どれも怒られているようだった。
「なんで2年おらんねん。」
それは、僕らも知りたい。
エースのいないチームと言われていた。
1年だけで10人。
ギリギリの人数だ。
誰か1人でもかけたら、試合すらあやうい。
だから、全員で強くならなきゃいけなかった。
幽霊部員の2年はいない方がマシだったし、
正直、こんなあたりが強そうな人が先輩で
しかも、関西ユースなんて人がきてしまって
ますますやりずらくなった、と思った。
最初は。
「お前ら、強いけど、なんかなぁ、仲良しバスケみたいやで。
守りはめっちゃええねんけど。攻めがないなぁ。」
そう言われて、全員が言い返せなかった。
攻めのバスケはスタイルではなかったからだ。
「オフェンス、俺でよかったら教えるで。」
そこから、チームの雰囲気もかなり明るくなって
練習試合も前より点が取れるようになりますます強くなった。
「今では、すごい頼りになるエースですよ。」
「そりゃそうやろ。俺強いねんから。」
エースがいるチームになった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます