セーブしますか?



グリンと顔だけこちらを向く。未だにジョーズさんって人を踏みつぶしたまま。


ぴこぴこさせるうさぎ耳が可愛いのに、血飛沫を付けて満面の笑みで振り向く受付さん。

僕じゃなくても絶叫ものだ。

幾人かはジョーズさんに向けて、両手を合わせお祈りをしている。


「大丈夫ですか? 怖かったですよね、もう安心してください。」


今も怖いです、受付さんに。


「あ、ありがとうごじゃいます‥」


「いえいえ、可愛い男の子を守るのは私の宿命ですので。記入は終えましたか?」


ジョーズさんを蹴り転がして、ハンカチで血を拭いながら受付に戻って行く。

モザイクのかかったジョーズさんは仲間らしき人に連れられてフェードアウト。


「は、はい書きました。」


「では、確認させていただきます。コータくんですね。13歳ふむふむ、最高ですね。確認終わりです。カードの作製に入りますので、少々お待ちください。」


先程の一件からすごい視線が集まってつらい。


「お待たせいたしました。こちらがカードです。」


トランプカードと同サイズのカードを渡してくれた。

何故か両手でにぎにぎと触って来ました。怖かったです。


「あ、ありがとうございます、おねーさん。」


しっかりとは見れないけど、顔を上げてお礼をする。


「ふぶぅっ、いえいえこれもお仕事ですから。あと、私のことはララお姉ちゃんと呼んでくださいね」


唐突に鼻血を噴射するララお姉ちゃん。


「ひっ、ははい! ララお‥お姉ちゃん」


ジョーズさんの時よりも大量に噴出している。受付台がどんどん赤に染まっていく。


僕は恐怖から一礼して、逃げるようにギルドを出た。

もう宿屋へ行こう。街がこんなに怖い所とは思わなかった。


百科事典にあったこの街の宿屋ランキング上位の宿屋に向かう。


『うさぎの憩い亭』

新人冒険者に良心的なお値段にも関わらず、料理も美味しいらしい。


早速、中に入り受付に行く。店の名前の通りうさぎの獣人一家が経営しているみたい。


「いらっしゃい、ぼうや!食堂でご飯かい?それとも、泊まりかい?」


「は、はい!とりあえず5日間ほど泊まりたいんですが‥」


「あいよ。見たところあんた冒険者成り立てみたいだから、銀貨5枚のとこ3枚にまけてあげるよ!」



本当に良心的だ。事典によるとここの夫婦が元冒険者で新人には安く提供しているらしい。


「あ、ありがとうございます。」


「いいーってことよ!その代わりしっかり生き延びなさいよ。ご飯はどうする?」


「ははい。今日はもうこのまま寝ます」


「そうかい、ほらこれは部屋の鍵だよ。二階の1番奥の部屋ね」


僕は鍵を受け取り自分の部屋に。


そのままベッドに倒れこむ。


今日は凄いいっぱい人と関わった。さすが街だなぁ。

もう精神はボロボロだ。


明日からのことを考える暇もなく、眠ってしまった。



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