第77話 無意味

 食べ物を買う…つい気にすることがある。

 匂いのキツイものを避ける。

『彼女』からメールがあったら困るから…

「逢いたい」

 そう言われたら…逢いに行ってしまいそうで…

 別れたはず、僕から逢わないと決めたはず…それでも、僕は『彼女』からの連絡を待っている…

 逢ってどうする?

 何もできないだろう…


 愛おしいと思う…思ってしまう。


 誰にでも金で抱かれる風俗嬢

 充分に苦しんだろう?

 誰にでも抱かれるけど…自分には抱けない『彼女』だっただろう…


 逢いたいと願う。

 その気持ちまで間違いだったとは思えない。


 今日も待つ…

 来るはずも無い連絡を…

「逢いたい…」

 そう言われたら僕は…どうする?

 無意味な自問自答で夜が明ける。

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