白梅と紅梅

無垢な笑顔に心惹かれた。付き合い出して初めての冬も終わる頃、梢に見つけた白梅を、君に似ているね、と言ったら、紅梅の方が好き、と横を向いた。

他の男と並んで歩くのを見かけたのは、春が来る頃。

ふと目が会った時の艶な笑み。ようやく気付いた。

憧れの花を見ていただけだと。

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