共に逝く愛 送る愛

「愛してるわ」

愛人の声。それは男が最期に聞いた言葉。

ある晩、男と女が心中した。


男は遺書を残していた。生前無骨者だった彼は、それを机の上に置いて出かけた。

妻はすぐに気付いた。

葬儀の席で親戚が尋ねる。何故止めなかったのか?

未亡人は苦く微笑んだ。

「愛してるから」

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