ゆうきをだす

「あした、いっしょにえをかいて」

「絵を描くのは苦手です」

「そうやって、ね、できないってあきらめるところが、あなたはだめなの。わたしはあきらめないで、ね、やるからね、ケーキもつくれるし、ダンスもできるってわけ」

「人には苦手なことって、あるんだよ」

「うん。あなたはにがてね、わたしはとくいなの。あなたはあなたってことで、わたしはわたしってこと」

「ははは。そうだね」

「でも、ゆうきをだすの。それがたいせつ」

「勇気ですか。出せなさそうなときは、どうしよう」

「ともだちにきくの」

「訊く友達がいないときは?」

「じゃあ、せんせいにきく」

「訊く先生もいなかったら?」

「こどもにきく」

「む。いい答えだね」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る