20181119

 先の見えない真っ暗な道をひたすら歩いている。いや、歩いているかすら怪しい。

 真っ暗な中にも同じように歩いている人が見える。その人達も進んでいるのか止まっているのかわからない人もいるが。何かを見つけたかのようにどんどん進んでいく人、同じところをぐるぐる廻っている人、方向が分からず立ち止まっている人、それぞれ色々な動きをしている。私は、とりあえず何となくの方向へ進んでいる。それが絶望の道なのか、希望の道なのか、それすら分からずに。私は羨ましく思っていた。先が見えているかのようにどんどん進んでいく人たちのことを。それと同時に嫉妬していた。どうして彼ら彼女らには先が見えるのか、どうして私には何も見えないのか。

 でも頭のどこかで答えは分かっているのだと思う。別に先が見えている訳では無い。彼らだって目の前は真っ暗なのだ。それでも自分を信じて進んでいるのだ。

 そんな人達が格好良く、そして羨ましく、そしてそれらと比較してしまう自分を醜く、思いながら、私は歩いている。気づいたら醜い自分に押しつぶされて、進むことすら出来なくなっていることに気づかずに。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る