いつも通りの朝

タケルの朝は

特に早くもないが遅くもない。

ゆっくり歩いてややギリギリ間に合うくらいの時間に出る。

朝ごはんもバッチリ食べるタケル。えらい。


「いってきまーす」

いつものように適度な道草をもぐもぐしながら投稿するタケル。

ふと、いつも猫がいるはずの空き地に猫がいなかった。気でも変わったか、縄張りを変えたか、その程度に考えたタケルダが、ふっと、空き地から目を離せなくなってしまった。

目を離すどうこうより、「動けない」ということには気が付かなかった。

空き地の真ん中にある「黒いもの」からどうしても目が離せない。

「黒いもの」はゆっくりとタケルの方へ向かってくるのがわかった。

じわり、じわりと近づいてくる「黒いもの」から目を離すこともできず、また、その場を動くことも、タケルには叶わなかった。

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