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――とある文芸部にて


A「やっぱり”彼”を殺すなんて出来ない! ”彼”は私が生み出したキャラクター、我が子も同然よ! いくら物語ストーリーを進めるためだとはいえあんまりだわ!」


B「なにを言っているの! ”彼”の屍を乗り越えてこそ、主人公は前へ進んで、新たな道を歩めるのよ。さあ筆をりなさい。そして走らせなさい! 貴女は物語をつむぎ出す義務があるのよ!」


C「……Aの書いている小説って、もうクライマックスまでいったんだ? 早いなぁ~」


D「ああ、あれね。異世界転移した主人公が最初のモンスターであるゴブリンと出会ったところで筆が止まっているのよ。ゴブリンですら自分が生み出したキャラだから、主人公に殺されちゃうストーリーが書けないみたいね」


C「あ~そう……。もう小説はどうでもいいからさ、あの二人は演劇部へ転部した方がいいんじゃない?」


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