count.4 投下

沙樹を外へ誘ってみた。


そしたらアイツ、病気を理由に断りやんの。


ちぇっ……つまんねぇ奴。



「病気ってこと、クラスの奴らにも言や良いじゃねぇか。そしたらセンコー共のことも誤解が解けて、つまんねぇこともされずに済むんじゃね?」



そう、コイツはクラスの女子連中に、センコーから贔屓されてるって勘違いから爪弾きにされてやがんだ。


コイツも抵抗しねーから、奴らは益々つけあがる。


こないだのトレペ事件が良い例だ。


男は表立って何かする訳じゃねぇが、女共が怖いから見て見ぬ振りしてやがる。


多勢に無勢のそれが、俺はなんとなく面白くなかった。


だから、進言してやっただけなのに。


奴は物凄い形相で、こっちを睨みつけやがった。



「言って? どうするの? 言ったところで『葬式には出てあげる』って言われるのがオチでしょ。アンタなんかに何が解るの」



……おいおい、マジかよ。


女でこの俺に"アンタ"なんつったの、お前が初めてなんだぜ?



『投下』

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