第5話 転校生
模擬店の話から一夜明けた日、レイラ達が所属する2年Sクラスでは転校生の話題で盛り上がっていた。
マリ「転校生だって」
ハマ「誰だろうね。転校生」
レイラ「男の人かな。それとも女の人」
ハマ「レイラが気になるのって性別なんだ」
マリ「たしかに、男か女か結構重要だよね」
レイラ「でしょ?」
ハマ「家柄じゃなくてか?」
レイラ「家柄は性別の次の次かな」
マリ「性別、性格、家柄くらいか」
レイラ「そんなとこ」
レイラ達が転校生について話していると、2年Sクラスの教官であるイムーラ教官が入ってきた
イムーラ教官「では、さっそくですが転校生の方を紹介させていただきます」
イムーラ教官「お入りになってください」
イムーラ教官の合図と共に転校生が入ってきた
カムラ「初めまして、美南さん、今日からこのファナリス学院に転入させていただきました。カムラと申します。」
カムラ「性別は男、性格は皆さんのご判断で、あと家柄は」
カムラ「一応この国の次期皇帝である皇太子をさせていただいています」
カムラ「皆さんよろしくお願いいたします。」
カムラは深くお辞儀をした
マリ「転校生って皇太子様?」
ハマ「そうみたいだな」
レイラ「皇太子様、転入するなら転入すると一言連絡ください」
カムラ「あはは、ごめんレイラ、忘れてた」
レイラ「しょうがないですね。席は私の隣ですか?」
カムラ「いや斜め後ろがいいかな」
レイラ「そこは隣でいいのでは?」
カムラ「まあ、レイラがそこまでいうなら、お言葉に甘えて」
レイラ「最初からそういえばいいものの」
カムラ「ごめんね。素直じゃなくて」
マリ「あのさ」
レイラ・カムラ「何?」
マリ「カップルのイチャイチャは別のところでやってくれないかな?」
ハマ「おい、マリ」
マリ「なに?……あっもっ申し訳ございません。」
カムラ「いいの。どうせ噂になってるし、父上様も右大臣殿も噂拡げてるから」
カムラ「この際だから、いっておくね。レイラは僕の婚約者すなわち、皇太子妃だから誰も手を出さないでね。」
カムラ「まあ、君たちみたいな家柄じゃ僕には叶わないけどね」
レイラ「その言い方は感じ悪いですよ。皇太子様」
カムラ「ごめん、レイラ」
カムラ「レイラに悪い輩がいないか心配でさ」
カムラ「そうだ。父上様がお呼びだから、レイラも来て」
レイラ「陛下がですか?」
カムラ「うん。じゃ移動するから、レイラ手を繋いで」
レイラ「はい、陛下」
カムラとレイラは瞬間移動した
マリ「瞬間移動って手を繋がなくてもいいよね」
ハマ「まあ、いいんじゃないか。」
ーークロナ家ーー
レイ「あーーレイラも婚約か」
ライ「そうですね。あんなに幼かったレイラ様が婚約とは、時の流れ速しですね」
レイ「話ならいつでも聞くからなイム」
イム「いえ、レイラ様と私は主と執事。恋なんて許されることではありません。」
イム「それに、皇太子様ならレイラ様を大切にしてくださいます」
レイ「イムも大人になったな。」
ライ「昔は、レイラ様と結婚するーー。レイラ様は誰にも渡さないーー。と幼い声で叫んでいたもんな。イム」
ライは懐かしそうに語った。
イム「辞めてください。ライ様」
ー宮廷ー
三人が昔話をしている頃、レイラと皇太子の姉にあたる皇女 メイサは、婚礼式の時に着る衣装について話し合っていた。
メイサ「やっぱり、赤色系かしら?それとも青色……」
レイラ「どれがよいでしょうか、皇女様」
メイサ「皇女様だなんて、姉上様でいいの」
レイラ「ですが、婚礼は」
メイサ「だって、すぐでしょ?呼び慣れとかないと」
レイラ「そうですか、では姉上様と呼ばせていただきます」
メイサ「うん」
メイサ「衣装二人で決められないから、母上様とマリを呼ばない?」
レイラ「マリはともかく、皇后様は..」
メイサ「いいの。私は母上様呼んでくるから、レイラはマリを呼んで来てくれない?」
レイラ「はい、わかりました」
こうして、二人は瞬間移動でそれぞれの人物の元を訪ねた。
ーー宮廷ーー
皇帝「それで、儀式はいつなのだ?」
皇后「来月の初旬であります陛下、昨日もお尋ねになりましたよ?」
皇帝「そうだったな。」
皇后「それほど、楽しみなのですか?」
皇帝「楽しみじゃないと言ったら嘘になるな」
皇后「素直じゃないですわね」
皇帝「悪かったな。素直じゃなくて」
ロマンチックな雰囲気で時が流れる中、皇帝の使いである、キムが現れた
キム「陛下、皇女様がお越しです」
皇帝「噂をすれば、メイサだ」
皇后「そうですわね」
皇帝「通しなさい」
キム「はい、陛下」
メイサ「母上様、レイラの婚礼着選びを見ていただけないでしょうか?」
皇后「もちろんよ。メイサ、いきましょう」
メイサ「はい、母上様」
皇帝「私はいかなくてよいのか?」
皇后「陛下は本番でお楽しみください、さあいきましょう。メイサ」
メイサ「はい、母上様」
皇后とメイサは去っていた。
皇帝「なあ、キム」
キム「はい、陛下」
皇帝「仲間外れか私は?」
キム「まあ、本番を楽しみにしようではありませんか、陛下」
皇帝「そうだな」
いっぽう、その頃レイラはアラム家を訪れていた
カナ「いらっしゃいませ、レイラ様」
カナはアラム家の専属女執事である。
レイラ「マリはいるからしら?」
カナ「はい、お通しいたします。」
レイラ「ありがとう」
レイラはマリの部屋を訪れた。
マリ「どうしたの?レイラ」
マリ「婚礼の衣装選んでたんじゃないの?」
レイラ「それが、なかなか決まらなくて、皇后様とマリの意見も聞きたくて」
マリ「なるほど」
レイラ「いい?」
マリ「私でいいの?」
レイラ「うん」
マリ「じゃいくわ」
レイラ「瞬間移動するね」
マリ「了解」
こうして、レイラとマリは宮廷に向かった。
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