詩とカクレミノ

フジマ

夏の尾


夏はただすごすには受け止めきれない暑さだけど、まだ蝉の声が聞こえることに安堵して、扇風機の人工的な風にあなたの声は流してしまった。


風が秋めいてきていて人々は夏を放り、秋を求めて駆け足になる。季節の移ろう姿はいつもどこか寂しそうだから、一人で乗り越えるには冷た過ぎる。


まだ汗が流れるうちに君にあいたいし、夏風と呼べるうちに夏風が君の髪を梳いていくところを見ていたい。

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