ジョーバは母を乗せて

ジョーバ、それは何年も前に流行はやった乗馬マシーンのこと。

妻がせるために乗る、と言って中古買ったものだ。

ありがちな結末だが、結局現在は夫の実家の持ち物である田舎の家の端っこの方に置いてある。


夫母「うち(母の一人称はうち)乗るし、ちょっと乗り方教えて~」


妻「いいですよ~。背筋を伸ばして、あぶみには足のつま先の方を乗せてください。真ん中じゃなくて土踏まずより前です。そうそう。ちょっと手綱たづな短いですが、初めてなのでしっかり掴んでください」


夫母「これでいいんかな?」


妻「じゃあ動かします。動いても頭は固定で。腰回りだけをジョーバに合わせる感じですよ」


ジョーバマシーンの動きと共に、

『あれ、買ったのってロデオマシーンだったか?』

と思うほどに、ガックンガックンと激しく揺れる夫母の体。


妻「お母さん、頭は固定! 動かすのは体だけですよ!!」


夫母「そんなこと言われても、勝手に動く~」


激しく(と言うほどでもない)揺れるジョーバとジョーバに振り回される母。

周りを取り囲む夫と妻の爆笑ののちストップボタンを押されて、夫母は無事生還した。



夫母の名誉の為に書きますが、手綱を持たなければ普通に乗れるということです。

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