◇次回の展望について
京也「来年は奈由ちゃんからの普通のチョコが欲しい」
葵「普通って……」
裕希「なんで草間?」
京也「彼女が色々な意味で一番無難だろう」
葵「無難とは」
京也「チョコを愛しているから多分チョコに無体は働かないはずだ。きっと普通の味の普通のチョコに違いない」
葵「お前、東風院の所為で麻痺してないか」
裕希「普通は普通の味だから大丈夫だろ」
葵「その前に、草間はあげる側じゃなく貰う側に徹していそうだけどな」
裕希「言えてる。その代わりあげたらホワイトデーに返してくれそうだけど」
葵「流行の逆チョコか」
京也「それもまたヨシ」
裕希「お前はどこを目指そうとしてるの」
京也「まあ誰がくれたって嬉しいんだけどね。義理でも喜んで。
ていうかこういう状況になって折角彼女たちと仲良くなったからには、あの4人みんなから貰うのが理想ですけど。貰いたいですけど」
裕希「4?」
京也「お前琴美ちゃんが僕らなどにくれるとでも思うのか」
裕希「いいえ思いません」
京也「欲しいんだけどな、琴美ちゃんからも」
裕希「物好きだな……」
京也「全国のクールビューティーに謝れ」
裕希「何でそうなるんだよ」
葵「佐竹もだけど、月谷は……」
京也「……こういうイベントには進んで便乗しそうだから数に入れたが、実際問題くれる確立は低いだろうな。特に僕には」
裕希「何その自覚」
京也「貰ったところでつい喧嘩を売ってしまい、チョコを反故にして奈由ちゃんに叱られかねない。チョコに罪はないのに」
葵「そこまで冷静に分析できてるのもどうかと思うけどな」
裕希「ていうかあいつは貰う側」
葵「言うな。悲しみが蘇る」
京也「多分あのメンバーだと、比較的くれる可能性が高いのは春ちゃんか杏季ちゃんかな。杏季ちゃんは今後の慣れ次第って感じだけど。春ちゃんはなんだか家庭的っぽいし料理とか上手そうだから期待できそうだなー。
あー春ちゃんの手作りチョコが食べたいなぁ」
葵「させるか」
京也「どういう意味?」
裕希「どういう意味?」
葵「うるっせぇよてめぇら」
裕希「ここで朗報です。『白原杏季はお菓子作りが上手い』」
葵「朗報はいいとしてどうしてお前がそれを知っているのか」
裕希「まーいーじゃんその辺は」
葵「なんだか怖いんだよお前のその無駄な情報収集スキル」
裕希「割と慣れてはきたみたいだし、あいつのことだから会う機会さえあれば俺ら全員にくれると思うけど」
京也「素直に嬉しいな、それは」
裕希「嬉しいけどあまり嬉しくない」
京也「ほう……」
裕希「ちょうどお前らがタイミングよく風邪でも引けばいいのに」
葵「なんだよその逆恨みめいた願望」
京也「意地でも引かないぞ僕は」
裕希「あと畠中春は、とある説によると『逆チョコを貰ったことがある』との噂なんですが」
葵「…………」
裕希「なにかコメントは?」
葵「何を言わせたいんだよ」
(後日)
裕希「この前さ、なんか俺への集中砲火で二人のはさらっと流されたけど、アオの中3での1個と京也の高1でのベリー以外の1個って」
葵「そんなことより今はこれからのことを考えるべきだユウ」
京也「過去は振り返らないで未来に目を向けるべきだよリン」
裕希「えー……」
葵&京也「…………」
(フェードアウト……)
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