◇葵の場合

葵「俺はゼロのが遥かにマシだった1.5個だ」


京也「ゼロのがマシって……」


裕希「その0.5部分は一体何なのさ」


葵「担任がクラス全員にチロルチョコを配った」


京也「何だそのしょっぱい思い出」


葵「しかもいくつかチロルが余ってたから何人かはもう1つってことで、じゃんけんしたら勝ってしまい2個も貰った」


裕希「そこは勝たないで」




葵「あともう1個のは……なんていうか黒歴史の産物、というか……」


京也「黒歴史?」


葵「……あんま言いたくねぇんだけどさ。文化祭で、うちの高校は恒例でミスコンをやるんだよ」


京也「ああ知ってるよ有名だもんな。舞橋高校は男子校なのに女装してミスコンをやるっていう」


裕希(目を反らす)


葵「細かい経緯は省くけど、ユウに巻き込まれてソレに俺も無理矢理出場させられたんだよ……」


京也「……わぁ」(←かける言葉が見つからない)


葵「で、多分その時ソレを見てたんだろう女子高生三人から『葵ちゃんこれからも頑張ってください☆』ってファンレターと共に手渡された」


京也「それはなんと言うか本当にお気の毒様でした」


葵「あんな切ないバレンタインは初めてだった」


京也「だろうな……」


裕希「どんまいアオ、そんな日もあるよ」


葵「お前なぁ……」

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