第16.5話 三人の決意
目覚めた僕はいつも通り、マロウさんに抱かれていた。片腕ではなく両腕で。
握りつぶすような力はないが、上からあの大腕を軽く乗せられるだけで僕は抜け出せなくなる。それほどに重いのだ。
そして右腕でもがっちりとホールド。顔も僕の頭の上の位置にあるため、完全包囲されていると言っても過言ではない。逃がさないぞオーラ全開である。
僕はマロウさんを独占しているような気になり嬉しくなった。
それに何よりマロウさんが無事でよかった。大切な人だと思ってはいたが、いなくなったと思った瞬間、その重みが良く分かった。
僕はマロウさんの安らかな寝顔を確認すると、躊躇いながらもギュッとその細い腰に腕を回し、胸の中に顔をうずめる。
とても幸せだった。何も考えずにずっとこうしていたい。皆と一緒にいたい。
…
……
…よし!頑張るぞ!
メグルは決意新たにマロウさんから身を離すが、どう足掻いてもその抱擁からは抜け出せない。そんな様子を見たセッタはやれやれと、重い腰を上げた。
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