『薄氷』

『薄氷』



私情を挟まず

全体主義に撤してるんだ


忘れるものか

けれど正そうとすれば壊れそうだ

この関係が、じゃない

俺が、壊れてしまう

これは経験則

もうこの身をもって知っている


繕っても、なかったことにはならない

それを知ってか知らずか、

また無遠慮なお前の物言いが

薄氷にひびを入れる

そのまま冷たい水底まで

引きずりこまれちまえばいいのに


向き合うことを是とする俺

けれど許そうと想えば、

完璧を振る舞わなきゃならない

逆に普段通りな気遣いだって

装う面がお前だから

何もかもが気にくわない


繕っても、なかったことにはならない

それを知ってか知らずか、

また無遠慮なお前の物言いが

薄氷にひびを入れる

そのまま冷たい水底まで

引きずりこまれちまえばいいのに

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