『眠らない夜景』

『眠らない夜景』



こんな気持ちの時に

自分だけじゃない、そう気付けた時

心は少しだけ軽くなる


高層マンション最上階近く、工事中

残業も終わって

上司からの電話で

「今降ります」

それから数分、何もせず見下ろしてたんだ

100万ドルの夜景、

て言うんだっけ?

レストランのなかではないし、

僕の格好だってドレスアップではなく

薄汚れた作業着ではあるけど


誰もが足早に、お一人様、

ネオンの下、忙しない景色見ても

昔はなにも思わなかったのにさ


こんな気持ちの時に

眠らない都会(まち)を眺めてたら

俺だけじゃないんだ、ってなった

皆頑張って生きてたんだ

こんな気持ちなのは

俺だけじゃないから

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