Hey! Emperor!



「キャーッ!コウテーイ!」

「こっち向いて~!」

「手を振って!おねがーい!!!!!!!!」


『みんなありがとーっ!』



私はコウテイペンギンのコウテイ。

アイドルグループ『PPP』のメンバーである








_______



「お疲れさまです、今日もサイコーです!」


「楽しかったぜ、次も頑張ろうな!」


これでもグループのリーダーをしている。


_______







「どう…かな?」


「うん、良いんじゃ無い?ステップもうまく踏めてるし、歌もうまくなってる。」


「ほんと?ありがとう!」


この人は私の飼育員…だった人。

フレンズになってからは、私の事を面倒見てくれる。


「ただ…まだまだトークがいまいちだなぁ」


「そうか…頑張って練習するよ。」


アドバイスもくれるし、困っていたら助けてくれる。料理や洗濯、掃除も。

家事というものが苦手だから、ちょっと任せっきりになってしまっている。


「しっかり改善して行こうよ。焦らなくて大丈夫。一個一個確実に行くのが大事だから。とにもかくにも今回はお疲れさま、よく頑張ったと思うよ!」


この人は、私を心から肯定してくれる人だ。



「いつもの…して欲しい…いいか?」



私は手を一杯に広げてソファに座る。


「甘えん坊さんだなぁ…」


彼は私の脇の下に手をくぐらせ、私の頭に片手を置いて撫でる。


彼の匂いも、ぬくもりも、感触も、すべてがご褒美だ。

頑張った甲斐があった。そう、思える。


「子供みたいに甘えちゃって…でも、そこが可愛いんだけどね…」


私は彼の体に顔を埋める。

ぐりぐりと頭を押し付け、尻尾が無意識のうちに揺れる。


「落ち着くよ…ありがとう。」


心を許した相手は…この人が始めてだった。


コウテイと呼ばれるにはあまりにも…

自身がないや。


だってこんな姿、みせられないもん。














飼育員…。



こんなふがいない皇帝で良ければ、

目覚めのコールをくれるかい?



「Hey!Emperor!!!!!!!!」

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