第2話
「本当に....存在、してたんだ....」
この時間だから鍵が閉まっていてもおかしくない扉が開いた時点でも驚いたが、それだけじゃない。
目の前に広がるのは、あきらかに教室とは違う景色。一面、綺麗な花畑だった。
「わぁ~、綺麗~!」
誰もが一度は見たことのある花も咲いていれば、ほとんどの人が知らないであろう花もあった。
「....あれ?」
私はふと疑問に思った。会えるはずの彼がそこにはいない。
なんで? どうして?
頭の中がその言葉で埋め尽くされる。
「四つ葉のクローバー....」
私はしゃがんでクローバーを手にとった。
確か、四つ葉のクローバーは願いを叶えるだったよね。
クローバーの花言葉を思い出しては少し悲しくなった。
そんなとき
「ずっと君を待ってたんだよ....お姫様」
「....え?」
背中に温かいぬくもりを感じた。
それは私が知ってる声。この声は私が毎日のように聞いている。
アニメでは絶対に言わないけれど、私と彼の夢物語を書いた小説で、彼は私のことを親しみを込めて「お姫様」と呼んでいる。
あぁ。私だって、ずっと会いたかった。
「暁くん....!」
私は大好きな彼の名前を口にした。
このまま後ろから抱きつかれるのも悪くないけど、まずは正面で向き合って....。
やっぱり生で見るとカッコいいなぁ。
....ん? あれ? さっき、暁くんはなんて言った?
ずっと私を待ってた? え? 理解が追いつかない。
私を待ってたって、どういう意味だろう?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます