第7話 動物忍者隊?動物美少女戦士?

 次のスケッチは楓ちゃんの番だ。ウサギのネザーランドドワーフ「キャラメルちゃん」をスケッチしていく。




 楓ちゃんは家がネットカフェでマンガが好きなだけでなく、自分でも二次創作?の絵を描いてイラストサイトにアップしているようなので絵が得意だ。




 わたしの何十倍ものスピードでサラサラと仕上げていく。




 「ざっとこんなものよ、完成!!」




 するとまたティティアンノートが宙に浮かび、回転しだす。楓ちゃんの身体が光に包まれていく。






 「ティティアンエボリューション・ネザーランドドワーフ!!」






 三度奇蹟が起こった。楓ちゃんも動物少女に変身したのだ。




 人間とウサギの中間のような姿。大きなウサギの耳にリボンがついていて、ライトブラウンの体毛、ブレザーのような上着にハーフパンツといった格好だ。




 身長はわたしがパピヨンに変身した時と同じ、1m弱といったところだろうか。






 「「「「かわいーっ!!」」」」




 またまたみんなで抱きしめる。






 「くるしーっ!!」




 「このノートの声に惹かれたのは鈴だけど、どうやら誰でも絵を描けば変身できるみたいだねー」



 この調子で、彩先輩とパフィンちゃんもスケッチをを終えた。



 「ティティアンエボリューション・三毛猫!!」



 「ティティアンエボリューション・パピヨン!!」




 …そして、二人ともわたしや楓ちゃん、チャチャちゃんの時と同じように変身した。やった!成功だ!



 彩先輩は猫の耳に三色の体毛、パフスリーブ付きのブラウスにプリーツ付きのミニスカート


 パフィンちゃんはわたしが昨日、パピちゃんに変身した時とほぼ同じ格好に見える。




 「やったー!!写真撮らなきゃ写真!!」




 みんなでかばんからスマホを取り出し、いろいろなポーズを決めながら写真を撮りまくっている。本当に楽しそうだ。



 「みんなどう?具合が悪いとか、体調に変化はない?大丈夫?」



 わたしがたずねてみる。



 「うん、大丈夫だよ。どちらかというと体がすごく軽くて動き回ってなきゃ気が済まないくらい。あの本棚の上までジャンプできそうな気がするわ。本当に猫になったみたい」


 「わかル!それに今まで聞こえなかった音や匂いもかげるよ。鈴、昨日この部屋でチョコミントアイス食べたナ?ついでに今朝のごはんは牛乳とクロワッサンだったナ?」






 え、ばれたっ!!




 わたしがパピヨンに変身した時は気が動転してて、鼻が利くかまでは気が回らなかったけど、どうやら元の動物の能力もある程度獲得できるようだ。



 本当に奇跡のノートだ。



 「最後は鈴の番だよ。ちゃっちゃっとスピピちゃん描いちゃいなよ」



 「はたしてフクロウになったら空を飛べるのか楽しみだだよね!ヘリコプターの代わりに空から撮影の仕事をしてお金稼げるかな」



 楓ちゃんとチャチャちゃんが急かしてくる。最後はわたしがフクロウのスピックスコノハズク「スピピちゃん」を描く番だ。



 ちゃっちゃっとはいうけど、わたしは絵が苦手なので、みんなよりは時間がかかるだろう。




 「わたしはちょっと時間かかるから、みんな適当に遊んでてよ」



 「「「「はーい」」」」



 みんなそれぞれのペットに話しかけたり、動きのモノマネをしたり、写真撮影の続きをしたりしてる。




「ネザーランドドワーフのカエデ!」


「三毛猫のアヤ!」


「チャチャ・ザ・ヘッジホッグ!」


「パピヨンのパフィン!」


「動物忍者隊・〇ッチャマン!」


「動物美少女戦士・ティティアン!」


「スパイ〇ーマ!!」




「ミュータント・ニンジャ・アニマルズ!カワバンガ!」






 何だかちょっと歴史を感じる決めセリフをノリノリで連呼するみんな。楓ちゃんの入れ知恵だろう。いいなー、早く混じりたい。


 その時だった。




 コンコン。




部屋の入口の扉をノックする音が。


 「りんーっ。友達来てるんでしょ?紅茶とクッキー持ってきたわよ」


 ……お姉ちゃんの声だ!!ヤバいっ!!

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