【、曰く。】イロハニ

千代音(斑目炉ヰ)

ー観音ー 『イ』

睨むや来世、瞑らば娑婆を

誠の現しは時世の閉鎖

輪廻の巡りは堕落へ一歩

刻みなれば御鏡逢わせ

写し、己が映ろうものか


揺るがぬ疹を助骨で包み

数多の聲に聴く耳持たず

其の瑕よ、甘んずることなかれ

露は玉響彩るが

奉仕致すと痕は哭く


景観視る穢れや悲憤慷慨

縋れ委ねと掌に釈迦であるか

蓮華を枯らし、溜池底の蠢く淀み

背を向けては成らぬ

逸らすな、眼


毒を浴び、焦がれるな

邪心を捨てゆけ

非道であられよ

逆さ言葉を唱え綴り

徳とは即ち罪である

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