最善






 生まれた時にさえ


 選ぶことは出来なかった


 母の腕で抱かれ


 ただその時を待っていた






 好き嫌いがはっきりした頃


 全ては自分で決めている


 そう思っていたのだが


 答えはいつでも一つだった






 選ぶのではなく


 経験や環境と感情に任せて


 そこに行くと決まっているのだ


 決まっていることならば


 




 人が選ぶ道は


 いつでも最善なんだろう


 最善の道のはずなのに


 胸が痛む






 間違っているのだろうか


 この道この歩み


 そう思う次の時には


 次に手を引かれていた



 


 

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