エンドロールに僕たちも

刻谷治(コクヤ オサム)

第0話 プロローグ

ロボット映画を観た。発達したAIが地球を害する人類を敵とみなし、襲いかかってくる。人間達もあらゆる兵器で対抗するが、苦戦を強いられるといった内容だった。


エイリアン映画を観た。突如現れたUFOと乗客だった戦闘エイリアンによって、地球が徐々に侵略されていき、人々は毎日怯えながら過ごすといった内容だった。


ゾンビ映画を観た。ゾンビに噛まれた人もゾンビになり、残された僅かな生存者達は共闘しながら日々を生きていく内容だった。


「結局、正解はそのどれでもないのよね」

「あぁ。よくよく考えてみれば、地球ができる時だって沢山の隕石で出来たんだ。むしろ今までよくもったもんだよ」


僕らの地球は隕石によって、あと数日で終わりを迎える。


「そういった映画はなかったの?」

「あるよ。でも人気がなかったのか、数は少ないね」

「面白くなかったのかしら」

「たぶん、あまりリアリティがないと思われたのかもね」

「ゾンビ映画よりも?」

「ロボット映画よりも、エイリアン映画よりも」

「それはそれで傑作ね」

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