妄想、売ります
武論斗
プロローグ「正義は勝つ」
「
救いを
俺達の
さあ、いざ
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「アイン!治癒を頼む」
「いいですとも!」
剣を握る腕が再び力を取り戻す。
額を
――まだ、イケる…
正直、ここ
いや、予想は、予想はしていたんだ。
単なる
複数の属性の魔術に加え、白兵戦に迄
その
絶望的、だ。
今の俺であれば、決して勝てない敵、と迄は
手の届かない
中距離では俺に勝ち目はない。
奴の魔術の
古代言語ならではの複雑な呪文は、
中距離でさえ、奴の魔術は
もう、接近戦以外、取るべき戦術はない。
左右に体を振り、フェイントを入れつつ、前に踏み出す。
軸足
距離は2メートル。
俺の踏み込みであれば
意識を集中、剣と体の意識を一体化するんだ。
距離が近付く、より正確に、精密に、緻密に。
150センチメートル、100セン、500ミリメートル、300ミリ、200ミリ、150、100、50…
集中力が高まるにつれ、ミリ単位で敵を
捉える。
――今、だ!
突き入れた剣を左脇から横一閃に
無論、外しても背後の
不気味に
――はっ!?
隸王は
左肩甲骨と鎖骨、胸骨の連動に触発され、右肋骨が僅かに浮き上がる。
剣の軌道から目標の肋が上向きに移動し、ずれる。
しまった――
体重を乗せようと刃に角度を付けた為、切っ先の軌道距離も短くなる。
S字に反った
その距離、2ミリ。
僅か、2ミリ、だ。
併し、今はその僅かが、
――くそっ!
考え過ぎた。
テクニカルに走り過ぎた。
化物相手にロジカル過ぎた。
来る!
反撃、が。
致命的な反撃、が!
くそぅ…――
――ヒュッヒュン!
不意に、一筋の弓矢。
空気を切り裂く音に
後方に
対スケルトン用の
続け
高々と頭上、
――ゴキャッ!ゴキュ、ゴキキュッ!!
その不快な汁こそ、生命を、人を、罪無き人々から奪った命の
コイツが奪った無垢なる命の
今、それを手放しつつある。
刃から柄を握る手に、確かな
命の波動、いや、ソイツを支える不死のエネルギー源の崩壊の序曲、が。
もう少し――
――いま一歩。
そう、あと一撃。
たった、あと一撃で、決着する。
正義の、正義が、正義は、勝つ!
「い、ま、だ、っ!」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
――本名、
職業は
ああ、無論、
だが、今はそんな
そうさ、
ヤツを倒す為に、俺は、いや、俺達は必死にここまでやってきた。
今日、正義は示される――
見ていてくれ、みんな!
――いくぞっ!
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