『見えない』

『見えない』



昨日教えたことすら、

思い出せず叱られる

「これぐらい普通出来る」ことを

何度も間違えて、

「またか」のため息に俯く


今なら話せそう、だけど

もたつき紡ぐ姿に

苛立つ貴方に僕の 言葉はまたしても

声にも成らずほつれてく

それをまた責められる


どれだけ説明しても堂々巡りで

「誰しもが悩みを抱えてる」ってさ

言われりゃ押し黙るしかなくて

はいと首を縦に振ってしまう


すり替え、当て嵌め、慰めないで

欠陥品であることなら毎日思い知らされてるよ

本当に、本当に全部が人よりうまく出来ない虚しさを

貴方は本当に知ってるのか?


「そんな人はいない」のならば、

僕は人ではないのかも知れない


出来る、って肯くまで言わせないでよ

やる気なんてものに縋り付いたってさ

また謝るしかなくなるから

そこに希望がないのを知ってるんだ


パッと見、普通

でもさ、言うよね

「心は目に見えない」

そこから血が流れてる

もし僕の涙が赤かったら

貴方にも気付いてもらえますか

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