王道

王は正しかった。

常に善政を敷き、まさに王道を行く為政者だった。

高き理想を掲げ、

厳しく現実を見据え、

弱きを助け、

強きを挫いた。

忠義と礼節を重んじた王だった。

ひとつ、ひとつだけ、彼には欠点があった。

他人が理解できなかった。


後世、彼は教科書に載った。

「不忠ノ者ニ誅セラル」、と。

しかし、時代が変わりその部分は塗りつぶされた。

時代は変わる、未来へ続く。

人類変わる、変わるしかない。

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