信仰と行動
女は知っていた。それでいて信仰を捨てなかった。
“信仰”を信じていた。
女は民衆から聖人と呼ばれ、尊敬を集めていた。
聖典を信じ、進んで民草のために働いた。
ただ、一つだけ女には問題があった。
“女”である、という問題が。
女の上役は女の業績を是としなかった。
やがて女は行為を奇跡として異端宣言された。
女は処刑された。
その時、「地にあるものは、地に。天にあるものは、天に。」
そういい残した。
聖典の一部である。
女は地に埋められ、信仰のみが天に召された。
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