じゅうななさい。
椿 梨乃
じゅうななさい。
17歳
ピーターパンは私を迎えには来なかった
本当は分かってたの 夢物語ってこと
でも私は、大人になりたくなかった
深い海の青より 空の青が好き
生きているって感じがする
歌っている時もそう
嗚呼生きているんだな、って思える
好きなものがたくさんある
痛さを知っているけれど、本当は多分そんなに知らないんだと思う 擦り傷だけを後生大事に舐めてちゃいけない
愛してるものがたくさんある
それでも満たされないふりをして、私は泣き叫んで目を閉じている
大好きなものが、いつだって私を取り囲んでるのに
子供じゃいられないって言われても
じゃあどういうこと?
って問い返したくなる
自由に見せかけた重石を渡され、責任ばかりが増えていく
翼をもがないで
私はまだ、青い空に飛び立てるはずだから
昨日の私にさよなら
昨日あなたが会った私はね、もういないのよ
だってその子は昨日の中に閉じ込められて、永遠の昨日を生きているから
あなたの目の前にいる今日の私もね
明日になれば消えちゃうの
だから愛して
どうなっても良いように、今私を愛して
後じゃ遅いの
だから、愛して
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