第九章 あなたを探して遠い道

第九章 あなたを探して遠い道

その後、どれだけ時間が経ったか覚えていない。ただ、涙を流して泣いていただけである。

ご飯もどれだけ食べたのか知らないし、風呂に入ろうとなんて思ったこともない。

テーブルの上には、ノートが五冊。

それを広げる気にはどうしてもならなかった。

何が書いてあるかなんて、もう見たくもない。

あっちゃん、ごめんね。と言っても、もう遅いよね。できれば、あっちゃんが生きてる間に、これ見せてくれれば、パパもママも、何か対策をとろうと思ったよ。でも、できなかったよね。ごめん、ごめん、本当にダメなママで。

そんなことばかり考えながら、ぼんやりと、外をながめる日々だった。

「えーと、この部屋だ。409号室っていうんだから、間違いない。大家さんがそう言っていたから大丈夫だろう。」

「409ね。大家さん頭悪いんかね。縁起の悪い数字を二つも並べて。」

「気にしなかっただけじゃないの。外国人だったら気にしないし。」

誰がしゃべっているんだか。確かに4と9は縁起が悪いと言われているが。

「まあ、いいや。とにかく押してみよう。」

という声と同時にインターフォンがなった。どこかのセールスかと思い、多香子は出る気にならなかった。

「返事がないや。留守かなあ。」

「よし。もう一回押してみよう。」

今度は五回連続して鳴った。それでも出る気になれない。

「やっぱり留守なんだよ。買い物にでも出かけているんじゃないか。」

「ほんじゃあ、ちょっと鍵がかかっているか確認させてもらってから出直そう。」

と、同時にガチャンという音がして、ドアが開いてしまった。

「あら、開いてるじゃないか。おーい、いるんだろ。返事位しろや。」

それでも、返事をする気にならないでぼけっとしていると、

「やっほ!」

後方からでかい声。

「もう、何ですか。用もないのに呼ばないでくださいよ!」

「だってここ、409号室でしょ。ここの住人は渡辺多香子さんではないのかよ。あ、そうか縁起の悪い部屋に住まわされて、忘れたか。」

玄関の方を見ると、杉三と聰がそこに立っていた。

「そうですけど、縁起が悪いなんて言わないで下さいよ。一応、ここが自宅なんですから。それに、用事がないのに勝手にドアを開けるなんて、失礼にもほどがあります。」

「失礼っていうか、用がなければ来ないよ!ブッチャーが、用事があるんだってよ。」

「はい。そうなんですよ。多香子さん。この間お願いしたモニターレポートが、いつまでたっても来ないから、心配になって来させてもらったんです。まあ、先日、雷がすごかったので、配達が遅れているのかと思ったんですが、提出期限より、三日も過ぎているのに来ないので、心配になってしまいました。」

モニターレポート?なんのことだ?提出期限ってなんだっけ?

「それもそうだけど、製鉄所を一週間無断欠勤して、教授にさ、様子見てきてくれって言われたんだよね。」

一週間?そんなに経ったんだろうか?

「恵子さんは寂しがっていますし、何よりも水穂さんが悪いことをしてしまったかなと言って、心配していました。」

「ああ、あの人の名前はやめて!」

思わずそれが出てしまう多香子。実はその名を口にされるのは、本当につらい。

「ほんとに、おかしくなっちゃったんかな。」

「うつ病にでもかかってしまったんですかね。また代理の人を頼まなきゃいけないかも。」

杉三と聰はそんなことを言っている。

「馬鹿にしないでよ!」

怒鳴る多香子に、

「わかりました!じゃあ、早くレポートを出してください。正常だったら、あれだけ喜んでくれたんですから、忘れたとは言えませんよ。こっちは四苦八苦してホームページを制作して、あとはモニターレポートを掲載すれば完成なのに、それがないので、いつまでもできないじゃないですか。それさえできれば、すぐに販売できるのに!」

聰も営業マンらしく、マシンガントークで対抗した。

「ブッチャー、だいぶ語彙が増えたな。いいぞ、その調子でやれ。」

「そんな約束、してましたっけ。」

「だから言ったじゃないですか。俺の作った試作品を着用して、水穂さんと一緒に大石寺まで行って、その時の感想をレポートに書いて送るって。もう、俺はちゃんとモニター料をお支払いする予定でいたんですから、忘れないでくださいよ!」

そうかそうか!やっと思い出した。しかし、レポートはどこにしまっただろう。あの時、出勤直後に青柳先生に見せて添削してもらい、家に戻ったら、清書して翌日に郵送する予定だった。しかし、その日水穂が大喀血を起こしたことや、そのあとに起きた一連の騒動により、レポートの事なんかすっかり忘れている。

「ごめんなさい、すぐに出しますから、待っていてくれますか?」

「待っているってどれくらいだ?」

「具体的に何分なんて、、、。」

と、言いながら急いで出勤用のカバンをひっくり返し、中身を確認してみると、確かに赤いボールペンで漢字の間違いを訂正された、原稿用紙が出てきた。

「なんだ、清書もしてないんですか。俺、人選間違えたかな。契約を守らない人じゃなくて、もっとしっかりした人に、やってもらうべきだった。これなら、蘭さんのお母さんのほうがよほどよかった。」

「まあ、ブッチャーは堅物だからね。約束を破られると確かに嫌だよね。事情はあるのだろうが、一応、モニター料もあるわけだし、そういう人に金を出す気には、ならないよねえ。」

二人はそんなこと言っているが、多香子にとっては、ただ馬鹿にされているか、責められているかしか取れない。

「いっそ、小久保さんの立ち合いで、契約を取り消したほうがいいかもよ。」

杉三がそう発言したのが頭にきて、

「だから、困るんです!社会人ってのは!娘の事で大事な用事があったのに、それより契約のほうが大事なんですか!」

と、思わず怒鳴ってしまった。

「子供を言い訳にしないでください!子育てをしている人がなんでも偉いのかと言いますと、そうは限りませんよ!」

「ブッチャー、抑えろ抑えろ。気持ちはわからないわけでもないけど、きっと重大なことがあって、立ち直れないんだよ。すぐに切り替えをすることが大切だ。それよりも、今、娘の事と言いましたね。確か、僕のうちでカレーを食べた時、娘さんはもう、あの世の人になっていると聞きました。もし本当にそうなら、なんで今重大な用が発生したんですか。」

「え?」

思わず、素っ頓狂に言ってしまった。

「おい、これなんだ?」

不意に杉三が、テーブルのほうを見る。

「ちょっと待ってくださいよ!」

急いで隠そうとテーブルに走る多香子だが、

「あ、なるほど。それにキーワードでも入っていたのか。つまり、娘さんの遺書だな。そうだろう?」

と、杉三に言われてしまう。

「そんなこと、関係ないでしょ。」

「いや、杉ちゃんも俺も、多かれ少なかれいじめを経験していますから、何かできるかもしれません。俺も、姉が精神疾患持っていましたので、そういう複雑な気持ちも、ちょっとだけ理解できますよ。」

と、聰が発言したので、思わず涙してしまう。

「よし、ここはみんなで相談しなきゃいけないね。三人寄れば文殊の知恵よ。人間、一人で解決しようと思ったら、どうせろくでもない方向にしか行かないから。だからこそ、ひとのあいだと書くのではないかと青柳教授も言ってたぜ。」

「みんなで相談って、、、。」

「当り前だい。しないでどうすんのよ。じゃあ、早く、小久保さんに電話してさ、できるだけ早くこっちにきてもらおうか。悪いけどさ、蘭に電話して、小久保さんの電話番号教えてもらおうか。」

多香子の反応に関係なく、杉三たちは手続きを開始してしまう。杉三が文字の読み書きができないのを多香子は思い出した。

「あ、そうだね。だけど俺、番号知らないんだよ。蘭さんに電話しようにも、刺青の施術していたら、電源を切っているから、出てくれないんじゃないかな。それに、固定電話もつけてないしさ。」

「そうだよな。確かにすごい集中力いるからな。じゃあ、他に番号を知っている人はいないのかな。」

「青柳先生か、水穂さんだろ。」

「よし分かった。今から製鉄所に行って聞いてこよう。水穂さんも、かなり太い血管が切れて相当つらかったようだけど、一週間たったから、大丈夫じゃないか。」

「おう、わかったよ。じゃあですね。その遺書全部、拝見させてもらえないでしょうかね。勿論、俺たち、プライベートなところは言及しませんので。」

「わかりました。」

こうなったら、杉ちゃんたちに任せてみようと多香子は決断した。実は誰かに相談するって、相当勇気のいることである。

「じゃあ、俺、タクシー呼んできますから、ちょっと待っててくださいね。」

聰がスマートフォンを出して、タクシー会社に電話した。一応、蘭にも電話をしたが、案の定、電源は入っていないため、つながらなかった。

全員タクシーに乗り込んで、製鉄所に向かった。到着すると、懍が出迎えてくれた。多香子は、一週間無断欠勤したことを叱られるかなと思ったが、そういう事は一切なかった。とにかく、三人とも応接室へ通された。懍が指示した通りに椅子に座って、テーブルの上に、多香子の娘が残した「遺稿」を広げる。

遺稿は、全部まとめて五冊あり、A5サイズの和紙で作られた芳名帳のような縦書きのノートで、表紙は、それぞれ千代紙でできていた。いわば和装本だ。多香子にしてみたら、娘がこんなものに興味を持っていたなんて初めてしった。よほど大事にしておきたい書き物だったのだろう。それか、よほど秘密にしておきたかったのかもしれない。必要最小限のものしか、買ってこない娘だったから。

中は、毛筆ではなく、鉛筆で書かれていたり、ボールペンで書かれているページもあるが、丁重な字で書かれる場合もあるし、殴り書きのように書かれている箇所もあった。文体は、古文をまねた雅文体で、中には多香子が読めもしない漢文で書かれている箇所もある。こういう事からも、他人に読まれたくない文書だということが分かった。多分、彼女は初めて古典を習ったときに、古文の面白さを知り、それをまねて書いてみたくなったのだろうと推測された。習いたてというのは、助動詞の使い方などが間違っている箇所も多数見受けられたことから、すぐにわかった。

「これは一人称で書かれていて、おそらく愛する男性に向けて書いたものだと思います。この文書では一人称をすべて、臣で統一していますね。本来は、部下が上司に対して使う一人称ですが、そのように解釈してしまうと、矛盾する箇所もあります。第一巻から第二巻は多分子供のころに書いたものですね。そして、第三巻以降は、やや学識が付いた思春期以降に書いたものです。その証拠に、第三巻以降で助動詞の使い方の間違いが、極度に減少しています。」

「さすが教授。じゃあ、第一巻のこの漢詩みたいな文句はなんて読むのか教えてくれよ。」

懍の解説に、杉三が口をはさむ。

「はい、漢詩は中国語上で考えると、非常に厳格な決まりがありますが、おそらく彼女はそれを全く知らないで書いたと思うので、専門的に見てしまうとかえって解読するのは難しいでしょう。ただ、文字に従って読んでいけば、あなたを探して遠い道、となります。」

「あなたを探して遠い道?なんだそれ。ノロウェイの黒牛の、冒頭文句じゃん。」

「杉ちゃん、ノロウェイの黒牛ってなんだ?」

「イギリスの、美女と野獣みたいな物語だ。確か、意地悪故に牛に変えられたノロウェイという土地の公爵が、かわいい女の子の愛情で人間に戻ることができるという物語だと思った。」

そんな伝説を、娘に聞かせた記憶はまるでないが、本を読むのは好きな子供だったので、図書館でもいって、借りてきたのだろうか。

「はい、お話自体はそうですが、それとこの文書とは無関係と考えたほうがいいですね。これは、素直に愛する人物と出会えた喜びがつづられています。漢字から判断すると、おそらく相手は非常に高尚な音楽家であり、端正な顔立ちをしていることは確かです。そして、彼女はその人物に負けないくらいの音楽家になりたいという誓いの言葉をつづっています。」

「なるほどね。そういう事か。まあ、人生の目的が決まったということで、選手宣誓するつもりで誓いの言葉を書いたのね。一般的に書くのでは面白くないから、学校で習った漢詩のやり方を使ってみようとでも思ったんだろ。子供だったらやりかねないことかもしれないね。」

今時の子供はそういう事をすることはまずないが、ちょっと変わり者と言われる子であれば、そうするかもしれなかった。

「そうですね。そういう物を面白いと感じ取ることができるのであれば、彼女は非常に優れた芸術的な感性があったと言えます。理論的に技法を教えなくても、感性で覚えることも可能だと思いますね。」

そんな能力、娘にあったんだろうか。

「よし、冒頭文句は解読できた。じゃあ、次の文句にいってみよう。」

「はい。一つ一つ解読していくと膨大な時間がかかってしまいますので、要点を言いますと、おそらく誓いの言葉を立てた人物に向けて、手紙のような形式で、学校であったことや、音楽の先生などとのやり取りが記録されています。几帳面な学生だったんでしょうか、忘れた日は一つもないようですね。多分、日記とも兼ねていたのではないかなと思われます。でも、かなり過酷な日々であったようですね。一、二巻ではまだ平穏は得られていたようですが、それ以降になると、家族から不利益な道に進むなと叱られて落ち込んだりとか、ピアノの先生に、できの悪い子だと言われてレッスンを受けたくなくなったなどが、中心的に書かれています。まあ、音楽学校に行きたいものが通る道ではあるのですが、彼女はそれを乗り越えるすべがなかったのだと思いますよ。」

「そんなことありません。私は、娘がそこへ行きたいのだと宣言した時に、じゃあがんばれと言って、一生懸命応援してきました。確かにお金がかかるとは言われましたが、娘が幸せになってほしかったので、多少つらいことがあっても、頑張って働いてきたんです。」

多香子は思わず反論した。娘には、それも何回も伝えたつもりだ。ママも一生懸命働くから、あっちゃんも頑張ろうねと言い聞かせたつもりだ。だから、娘はそれをばねにしてピアノの練習に励んでいると思っていた。

「いえ、それは間違いですね。三巻以降に証拠があります。担任教師の先生に母殺しをするのなら、今直ぐここから飛び降りて死ねと言われたという記述があります。そして、」

「ああ、それは私も知っています。でも、私だって、親が働くのは当たり前だと言いました。事実そうじゃないですか。」

「はい、それはそうですね。しかし、それも消されています。あなた、おそらくですけど一時期体調を崩されたこともありましたね。それを見た彼女は、本当に自分が親殺しをしていると確信を持ったという記述があります。そして、偉い演奏家になって、母を楽にしてやり、音楽を理解しない教師を見返してやるとも書かれています。」

それなら、それで進んでくれればいい。なのに、なぜ自殺に陥ったのか。もし教師がそういう事を言っても、それをばねにして、進んでくれればいいのに。

「もう一つ妨害した要素がありますね。四巻をご覧ください。これは彼女と、彼女にとってはおじい様、そして多香子さんにとってはお父様にあたる人物とのやり取りが記録されているのですが、これによりますと、その方から、先生には従う事や逃げは悪事であること、成績が良くなければ戦えないこと、音楽学校より、古典文学などの教師になったほうが平穏な生活を得られると脅されたこと、なども記されていますね。」

え、どういうこと、父がそんなこと言ったの?確かに学校の先生が酷いことを言っていたという事はさんざん聞かされてきたが、それだけではなかったの?

「これは、お母さんもおじいさんを恐れていたので、問題に気が付かなかったのだと思いますよ。つまりですね、学校でも家庭でも、全く彼女を支持した者はなく、四面楚歌の状態であった。彼女はそれを回避するために、せめてこの端正な人物だけは、自分を理解してくれるというすがりたい気持ちもあり、この遺稿を記していたのではないかと思います。」

なんで?だって、私の唯一の味方はママだよ、と笑顔で言っていたのに?それは嘘だったの?そうでなくて、架空の人物に向けて願いを書いたの?

「そして五巻。これはタイトルを解読すると、私が死んだ理由となります。これは最後まで書ききっていませんし、一日のうちに書き上げたのだと思われます。おそらく自殺前に書き上げたものでしょうね。教師には、恨みの言葉がつづられていますが、家族には恨みはないようですね。それよりも、自分が家庭崩壊の原因を作ってしまったので、責任をとって死なせてくれと祈願する内容になってますね。最期に、あの端正な人物に対する感謝の意を示し、そして、お母様には見せないでくれ、見せる前に燃やしてしまってくれという言葉で終わっています。」

「はああ、、、。なるほど。究極の愛情ですな。しっかし、若い女性がこんなきれいな文句、書けるものでしょうか。」

聰が一般的にでてくる感想を言った。

「はい、むしろ若い女性であるからこそ書ける文句と言えるでしょう。勿論、彼女の感性も一助しているのは言うまでもありませんが。僕も、ドイツの学生が、源氏物語の文書を引用してレポートを提出してきたことがあって、非常に面食らったことがありました。それを見て、僕は製鉄よりも、彼女は文学の道へ進むべきではないかと思ったことがあります。それくらい、若い人の感性は目を見張るものがありますよ。」

「なるほどねえ、、、。そういう事かあ、、、。そういう人は確かに難しいですよね。逆を言うと、こういう結果にならなければ解決できない問題だったかもしれませんよ。」

「そうですよ。だから僕も、解決するすべを知らなかったと表現したのです。もし、教師からひどいことを言われたとしても、家族が理解していれば、回避するすべを知っているはずですよ。しかし、経済的なことで精いっぱいで、それをくみ取ってやれるほどの精神的な余裕が親側になかったということも、彼女が数奇な運命しかたどれなかった理由でしょうね。そこをしっかり知らせてやることができていれば、家庭が崩壊することもなかったでしょうね。」

「俺の姉ちゃんもそうでした。身分の低い人が、高い人のすることに憧れちゃうと、大体こういう悲劇的な結果になるんだ。」

「そうですね。ある意味、自殺をするしか、彼女は苦しみから逃げられなかったのではないでしょうか。」

「ちょっと待て。」

不意に杉三がでかい声で言った。

「その架空の人物って誰の事だ?」

「そうですね、具体的な名称も出てこないので、それだけは類推することはできませんね。ピアニストであれば、誰でも演奏技術はあるでしょうし、端正な人は、海外の人物であれば、多いですからね。」

「僕、違うと思う。」

「杉ちゃん、空想と現実は違うよ。」

「いや、そうじゃないと思うよ。ここまでその人に対して想いがあるのなら、架空の人物という事はないと思う。直感的にだが、多分ここにいる人であると思う。」

「杉ちゃんさ、そういう事はないだろ。ピアニストなんて、ごろごろいるんだから。」

「そうかもしれないが、経済的に余裕のない人が、海外の有名な人を聞ける機会はなかなかないから、まず第一に身近な人を聞いて、感激すると思うんだよね。ねえ、教授。水穂さんどうしている?」

「あ、寝てます。」

懍が当たり前のようにそういうと、

「よし、本人に聞いてみよう。そして、ファンに向けてサインさせよう!」

猪突猛進に部屋を出て行く。

「まて、杉ちゃん!そんなことして、、、。」

聰も急いで追いかけるが、杉三は、聞く耳を持たなかった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る