第11話 唯我ネイティブ

島の人々をみるに、漁師や海女というのはプライドが高いように思う。父は言う「テレビに出ている漁師は偽物だ。本物の漁師は仕掛けを見られるのを嫌がる」母は言う「テレビに出ている海女さんと自分を一緒にしないでほしい。あっちは見た目だけで商売している」

父は職人気質で仕事には厳しい。過去に、漁の道具作りを手伝えと頼まれた時、どうやって作るのか聞いたら「お前は何のために大学に行っているんだ!俺はじいさんのやり方を見て覚えた!!」と怒られた。父さん、私は文学部です。そう心の中でつぶやくしかなかった。

(母の話はまた今度)

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