第32話 アミの話8

その間、マルーシャの支援型機、パールバティと

ウインの超長距離狙撃型インドラは合流していた。


中央部で数的有利を作り出した分、ほかの空域で

相手側が数的有利を作る可能性があるため、

それに警戒したかたちだ。


マルーシャが中央部に支援する場合もあるが、

3対2ですぐ決着が着くとのマルーシャの判断だ。


中央部はさんで反対側で相手のオーガ型が第3小隊の

ミニオン機を押し返しているのはわかっていたし、

左翼正面の支援型リリスと中距離狙撃型の

イフリートが突っ込んでくる気配もなかった。


中央部の戦闘が早く決まりすぎて、他空域で

取り返す隙がなかった。


そもそも相手小隊から見て、第3小隊は相性が

悪かった。どちらかというと、飛び込んでくる相手

に対して火力で勝つチーム構成だ。


それに対して、第3小隊は、前線を防御的に

作りつつ、遠距離からの狙撃で倒す。したがって、

チームで飛び込んでくる相手には逆に弱い。


ちなみに、コ連の人型機械小隊でいうと、

第1小隊が火力構成、第2小隊が機動構成だ。

もちろん、極端な構成になっているわけで

はなく、例えば第3小隊は狙撃構成だが、

ハヌマーンのように機動力がある機体もある。


バランスも意識しつつ特徴を出している。


軍は、この3つ巴の関係を意識したうえで、

その時軍に不足していた構成を得意とする

アミたちに声をかけたと言える。


ウインが操る超長距離狙撃型インドラは、

ステルスで接近して火力を出す機体相手に弱い。

しかし、今回はそのタイプの機体がいない。


ウインは、戦闘が開始して時間が経つほど

狙撃の精度が上がる。相手の回避行動のリズム

がわかってくるという。混戦の時間帯に

入ると、中距離砲に持ち替えて戦う場合もある。


アンリマンユ2番機を破壊した時点で敵小隊は

混戦を挑んできた。

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