47話 呪い

「ちっ、こんな事ならゴリ子は捨ててとっとと逃げるべきだったぜ…」

「ううう…。仕方ないだろう」

「仕方ないじゃねーよ。敵が投げたものを触りやがって」


「ぎゃあぎゃあ。うるさいぞ!!」

「「すいません」」


「おめーのせいで怒られただろゴリ子このやろう」

「はぁ、ネチネチ絡んできたのはお前だろ」

「んだと、やんのか!?」

「はん。お前が私に敵うのかよ?」

「上等だこのゴリ」

「誰がゴリだ。気取りやのクソ魔道士が」

「「……!!」」


「…たくっ、こいつ等自分たちが捕まった自覚ないんじゃ無いか、随分余裕ありすぎだよなぁ?」


 叔父さんは、拘束されながら・・・・・・・も喧嘩を続ける二人。

 叱った後もすぐに喧嘩を始める二人に呆れた顔をして見ていた。

 手を後ろで縛られガッチリと拘束されているにも関わらず女勇者と魔道士の二人は喧嘩していた。


 縄で縛られた勇者2人は意外にも大人しくしており抵抗する兆しすら見せない。

 だが、それが俺達の警戒を緩める演技である可能性も高いためこちらは気が抜けない。


「まぁ、素性やら目的やらをとっとと聞いてしまえば始末も出来るだろ」


 おいおい。物騒だな。

 ヴィルがいきなり口を開いたかと思えば随分物騒な事を口にした。

 どうやら喧しい二人にイライラを通り越したようだ。


「何だ。この武器喋るのかい!?」


 ゴリ子と呼ばれた女勇者がヴィルを見て驚いている。

 魔道士も驚いている様だが表情が分からないためなんとも言えない。


「まぁ、その。そうですね」

「あんた。その歳で一体何者なんだい…」


 女勇者は俺を見て青い顔をしてきた。

 どうやらトラウマを植え付けてしまった様だ。


「イッセイ。そろそろ始めるぞ」


 叔父さんを見ると後ろにはエリーとエルダさんが集まってきていた。

 どうやら拷問…尋問を始めるらしい。


 うん。取り敢えずエルダさんはその両手に持った金槌と杭はこっちに渡そうか。


 世界樹を傷つけられた神官ほど怖いものは居ないのかもしれない。

 エルダさんはここに来て一番の笑みを見せている。それはもう何とも言いようのない素晴らしい笑顔だ。

 顔中青筋がくっきり浮かびまくっていて凄い笑顔になっていた。


 やだ、この人。絶対殺るヤル気スイッチ入ってるでしょ。


 取り敢えずエルダさんは少し離れた場所からこっちの話を聞いてもらうとして、尋問を始めますか…。



 ・・・



「さて、お二人の素性を話してもらっても良いですか?」


 始めるのは簡単な質問からだ。

 お口の紐を緩めるにはまずは心の距離を縮める事だとじいちゃんが言ってたっけ。


 最も飲み屋のネーチャンを口説く時の文句だったけど…。


 で、なんで俺が尋問なんてやっているかと言うと叔父さんに経験しろと言われているからだ。

 普段は叔父さんがこういう役をやってくれるのだが、俺もそろそろ覚えたほうが良いとヴィルが言い出した。そのため叔父さんから経験してみろと言われたのだ。


 尋問なんてやったこと無いからなぁ…。どうやって切り出そうか。

 取り敢えず無難に名前とか聞くか…


「お二人の名前と所属を教えてもらっても良いですか?」

「俺からは何にも話す事は無いですよー。黙秘権ってやつですよ」

「あたいも何も言わないよ」


 ぐっ、さっきゴリ子さんが話してきたから簡単に教えてくれると思ったんだが…。

 って言うかさっきリリコって自分で名乗ってたよなぁ。


 でも折角だから答えては貰いたい。

 交渉ってのはこういう所から始まると思っているしね。


「お名前も教えて頂け無いんですか?」

「無理無理」


 魔道士は取り付く島もない…、ので女勇者に聞いてみる。


「あたしは、「ゴリ子」コ。」


 魔道士が割り込んでゴリ子の名前を代返する。


 おいおい。お前さんには聞いて無いだろ。


 ゴリ子は、魔道士を睨んでいた。

 まぁ、わざわざ俺とのコミュニケーションを潰したんだから魔道士さんとしては、ゴリ子さんの名前すら情報として出したくないからだろう。


「何を聞かれても話さないよ」


 俺の考えに気づいたのか魔道士は鼻で笑うように答えてきた。

 これは厳しいかな? っと思ったが、


「あたしは、名前位なら答えていいよ」


 女勇者はどうしても自分の名前を訂正したいようである。


「ほほぅ。是非本名・・を教えて頂きたいですね」

「私の名前は「あなた方には屈しません」」


 魔道士のかぶせ技再び。ゴリ子は俯いたまま黙っている。


「…おい、ギル。お前邪魔すんな! ……あっ」


 おっ、こっちの魔道士は「ギル」って名前らしい。

 流石はゴリ子。脳筋だ。


 仲間の情報をバッチリ暴露してくれましたね。

 ギルと呼ばれた魔道士は無言でゴリ子を凝視していた。


 まぁなぁ、自分は一所懸命庇っていたのに暴露されちゃったらなぁ。


 シュンとするゴリ子は大人しくなってしまった。

 交渉ごとはギルと呼ばれる魔道士がおこなっていたのだろう。


「ギルさん。何か話してくれる事はありませんか?」


 俺の質問にギルは答える素振りを見せない。まぁ、そうだろうね。

 ギルという名の魔道士がこれ以上何にも話をしてくれる気配も無いので次の手を使う事にする。



「ま、良いです。なら、仕方がないですね。次の手でいきましょう」

「次の手?」

「拷問ですね」


「拷問!」


 拷問という言葉にゴリ子は、一瞬顔を歪めたが魔道士ギルは無表情だった。

 この反応だけで魔道士ギルが結構修羅場をくぐっているのだと分かる。


 逆にゴリ子はあまりこういう場面を経験したことが無いのかもしれない。



 ・・・



 ちなみに、拷問と言っても別にハードなものを求めている訳ではない。

 俺達は決して拷問快楽者では無いのだ。


「ヒヒヒッ、こいつらの様な失礼な異教徒は生皮を剥いで吊るしましょう」

「ひぃ…」


 一人悪魔神官が居たわ…。


 今回俺達の取った方法は、


「あひぃ…や、やめ…」

「うん? ここがええんか? ほれ、ほーれ」

「あぁ…だめ。壊れちゃう…」


 叔父さんに拷問を受ける女勇者。

 聞き方によっては結構危ないセリフを吐いている。

 実際俺と魔道士の二人はドン引きだったし、エリーも顔を隠していた。


「ほーら。これでどうだ?」

「ひん…あっ、ダメ…だめだめ…」


 叔父さんは何故にこんなにもノリノリなのだろう…。

 よほどストレスが溜まっているのか?


「叔父さん…そろそろ」


 こっちがキツくなってきた。


「おぉ、そうか。では、そろそろトドメだな。そーれ、コチョコチョコチョ」

「ひひっひ…いひひひひひ……」


 叔父さんが女勇者に向かって羽でくすぐっていた。

 体を拘束され足の裏をねっとりと責められている女勇者はありとあらゆる場所から体液を垂れ流しており。

 人というか大人としての尊厳は失いつつある。


 実は、こんなに手の混んだ事をしなくてもマーリーンの魔法でソフトな洗脳を行う予定だったのだが倫理的に掛けるって事で今回は不採用となった。


「はなしゅ…はなしゅ…もん……か…」ちーん


 ありゃりゃ。耐えられなくなって気を失ったか…。

 気を失った女勇者がこちらを向いた。


 …ヨダレまみれの鼻水グシュグシュのアヘ顔をこちらに向けるのは止めてください。

 気が滅入ってしまいます。


「あっちゃー。気を失っちゃったじゃないですか」

「スマンスマン。と言ってももう一人居るじゃないか、ワシ今度は上手くやる自信があるぞ」


 叔父さんが何とも言えない顔をして魔道士ギルを見ていた。手付きがキモイ。

 何か危険を感じたであろう魔道士ギルはめっちゃ汗を搔いている。

 よっぽど嫌らしい。俺もあんなのが来たら嫌だ。


 叔父さんが魔道士に向かって無言で足を進める。

 その…、足音を立てずにカサカサ近づくのは止めて頂きたい。

 精神的ダメージが味方にも及んでいます。


 魔道士が首を振って何かを諦めた様に…。


「ふぅー。分かりましたよ。こちらの負けです。何でもお話しますよ」


 こいつ、女勇者があれだけ頑張ったのに自分に危害が及びそうになった瞬間にあっさり折れやがった。


 クズの香りがするが取り敢えず前に進めそうなので仕切り直す事にする。



 ・・・



「では、改めてお名前と勇者の力を教えてください」


「俺はギル。勇者の力は【闇魔法◎】だ」

「…あたしは、リリコ。【力◎】【魔力△】の勇者だ」


 今度は素直に教えてくれた。

 最も俺の背後で叔父さんが『ニヤリ』とイヤラシイ笑みを浮かべていれば誰も逆らえないだろうけどね。

 しかし、女勇者ゴリ…リリコは勇者の才能を2つ持っているのか?

 今までそんな人見たこと無かったぞ。


 後で詳しく調べてみるか…。

 取り敢えず今は先に進めよう。


「なるほど。次にご出身はどちらですか?」


「俺は地下帝国【バアル国】のギルド所属だ」

「あたしは、【メタトロン国】のギルドから派遣されてきた」


 どうやら2人が同郷と言う事はなく今回の依頼で出会った2人の様だった。

 地下帝国の人に関わるのは初めてだな……。


 魔道士ギルを見るが叔父さんを警戒しているようだ。

 もしも時間があれば地下帝国の事も聞いてみるか。


 何れにしても後の話だ。


「では、最後に…貴方達の雇い主は誰ですか?」


 俺の質問にエリーと女勇者リリコが一瞬ビクンと体を震わせた。

 魔道士ギルが先程と同じトーンで話す。


「依頼主は確かこの国の第一姫様だった。他の者が礼拝出来ないように邪魔しろとね。俺達がここに居るのはそれからじゃないかな」


 ほぅ。ここへの立ち入りを妨害していたのは第一姫様か…。


「なっ!? …もがっ」


 騒ぐエルダさんをカズハとセティが口を抑える。


 二人共ナイスだ。今、エルダさんに騒がれると面倒くさい。


「なるほど。第一姫様ですか…、ギルドからの依頼ならスクロールは持ってます?」


 スクロールとはクエストの依頼書の事だ。

 冒険者は、ギルドから発行されたスクロールを元に行動し、依頼を実行する。

 依頼が終わった後も依頼主から直筆のサインを貰わないとクエスト終了とならない為、冒険者にとって命の次に大事なものだったりする。


「…追加オーダーだから持ってない」


 魔道士ギルが悪びれもなく言い放つ。


 なるほど。確かに追加オーダーは頼まれる事はある。

 簡単に説明すれば、皿洗いで屋敷に呼ばれて行ったら草むしりも頼まれた。みたいな話しだ。

 こういう追加オーダーの場合ギルドを通さず‡(アニマ)を貰えたりするので受ける冒険者は多い。


 ……この人。


「質問を変えます。第一姫様は何故ここに人を入れないようにするか言ってましたか?」


 俺の質問に考えるように黙った魔道士ギル。

 少し考えると口を開いた。


「…何でも加護を受けるやつが来るとかなんとか言ってたな」


 やっぱりこの人…。

 俺はエルダさんに向き直って質問する。


「世界樹との儀式の場はここで合ってますか?」


 俺はエルダさんに質問する。すると、自分に声が掛かると思っていなかったのだろう。エルダさんは面を食らった顔をしている。


「あぁ、えぇ…。もう少し行った先に祭壇がありますよ?」

「一度、そこに行った方が良い気がします」


「え?」


 エルダさんの気の抜けた声が張り詰めていた尋問の場にこだまする。

 エリーも意味が分からない。っと言った顔をしてこちらを見ている。


「それしか無いなら先に行ってみるか」


 叔父さんは察してくれた様だ。


「そ、そんな事言っている場合では無いでしょ? コイツラの証言を元に王へ進言しに行かなくて良いの?」


 エリーが話に割り込んできた。

 確かに普通ならそうかもしれないが、魔道士ギルの言動は妙に気になった。

 それに…。


「無駄だな」


 叔父さんが首を横に振りながらエリーに言う。


「え? な、なんで自白してるでしょ」


 エリーが戸惑っているが今度は俺が引き取る。


「証拠が無いんだ」

「だって、今ここで…」


 エリーは俺の顔を見て悔しそうな表情をする。

 敵対した相手の話しを鵜呑みにするのは一番やってはいけないことだ。

 冒険者として経験があれば誰でも分かる事だがお転婆姫だったエリーには厳しいかもしれない。それが美徳といえば美徳なんだけどね。

 あっ、いや、まぁ。それじゃあ今は困るんだけどね。


 …何言ってんだ俺。


「王様の前で同じことを言うか分からない」

「そんな…」


 ギルとリリコこの二人に感じる違和感。

 それがはっきりするまでは王族にも渡さない。

 エリーとエルダさんの二人はギャアギャア騒いでいたが、今は俺達と行動を共にしているので従わせる。


「それにこのまま王様の前にだしても二人が消される可能性が上がるだけなんだ」

「「!!?」」


 2回めになるが、生きるのが第一目標の冒険者からすればもうこの時点・・・・・・でクエストを放棄していないのは可怪しい。ましてや追加オーダーだ。


 では、何故この状況下になって奴らはクエスト放棄しないかと言えば、何らかの方法で従わされているとしか考えられない。もしくは、王族の誰かが身内の可能性だ。

 だが、エルフの里という時点で後者は無いだろう。

 必然的に何かしらの方法で従わされている事にはなるが、それが何なのかは不透明だ。


 人質か呪いか…


 で、そんな所へのこのこと出ていけば有無も言わさず二人は消されるだろう。

 そうなったら黒幕を探すのは面倒臭くなる。それに、第一姫様も捨て駒の可能性が高いしな。


「それを防ぐには祭壇の間に行って何か掴むしか無いんですよね」

「それだって信じれるのですか?」


 俺の提案をエルダさんがツッコんでくる。

 確かに今、ギル達を否定したばかりなのだがこれにも理由はある。


「彼らの追加オーダーは祭壇に近づけさせないためでしたが、近づかせない理由をこちらに教えてきました」

「だから、それが罠なのでは?」


 エルダさんはイライラしているのか語尾が強い。

 それにこの人怒ると顔に血管が出るからなぁ。

 めっちゃ浮きまくってますよ。血管。


 今度は叔父さんが引き取ってくれた。


「本当に行かせたいならこいつ等が配置されている意味が無いんだ。世界樹に行かせて殺せば良いんだからな。で、エリーはまだ世界樹の祝福を受けてないんじゃないか?」

「…はい」

「姫様はこやつ等を排除してから祝福を受ける予定でしたから」


 要はエリーを行かせたくないと言う訳だ。

 叔父さんに目配せしてエルダさんとエリーに同行してもらうようにした。



 ・・・



「一緒に行かないの?」


 去り際にそう一言言ってきたエリー。

 今まで強気だった彼女が妙に怯えている。


「大丈夫。叔父さんは僕より強いよ」


 あっ、そうだ。と、俺はエリーに魔石を渡した。

 カズハの魔力を込めた特性の閃光種榴弾(イメージ)だ。

 使い方は簡単、魔力を込めて投げるだけ。

 手を離した3秒後に発光するように設定してある。

 簡単に説明した後、


「お守りみたいなものだから」


 と、言って手渡ししたら顔を真赤にして無言で叔父さん達の方へ走って行ってしまった。


「あいつ。何を怒っているんだ???」

「あーぁ、ここにも鈍感奴が居たよ」


 リリコさんが俺を残念そうな目で見てくる。…何でだ?

 しかも、


「ここにも?」

「何でも無いよ」


「そんな、ゴリの話しより。何でお前は残った?」

「ゴリ!?」


「あぁ…。ギルさん僕たちに何か隠してますよね?」

「無視!?」


 俺が残った理由。

 ギルさんとリリコさんは何か話せない理由を持っている。

 そう確信したので残って聞ける事は聞こうと思ったのだ。


「…ご明察です」


 こちらに顔を向ける魔道士ギル。

 顔はよく見えないが何となく強い意思は感じる。


「……俺達を逃してくれるには何の話をすれば良いんだ?」

「本当の依頼人を」

「それだけは言えない」


「何故?」


 ギルさんとリリコさんは表情が暗くなる。

 そして、ギルさんが口を開いた。


「俺達に呪いがかけられているからだ」

「呪い…ですか?」


「あぁ。そいつ等クライアントの名前を言ったり、組織を言ったりすると……ぐふっ」

「ギル!!」


 突如、ギルさんは口から血を吐いた。

 リリコさんがギルさんに大声で声を掛けた。


「かはっ…」

「頼むよ。もう止めてくれよ」

「大丈夫…だ…。ハァ、ハァ、ハァ……」


 ヒューヒューと息を漏らすギルさんは虫の息だ。


「こんな感じだ、情報を漏らそうとすればこんな感じになる…ぐぐっ」

「アクア」


 ヤバい血が肺に入ったかも。


「イッセイ。呼びました?」

「直ぐにギルさんの肺に水を入れて洗浄してくれ」


「了解しました」


 アクアは水を出すとギルさんの口に含ませる。


「ちょっと痛いですけど我慢してください」

「うぐっ…。ごはっ、はぁはぁ…すまねえ」


 アクアの魔力で水を操り血の塊を吐き出させた。

 ついでに傷口も水で抑えられている。


「かなり。凶悪ですね」

「あぁ、この呪いがある限り俺達はここを動けないし、名前も言えないんだ。闇魔道士が聞いて呆れるだろ?」


 魔道士ギルは自虐ネタで力無く笑う。

 この呪いをどうにかしないと俺達も手が打てない。


 途方に暮れていると世界樹の木が銀色に輝き出した。


「何だ!? 何が起こった?」

「分からない。けどあたしはこの気配嫌じゃないね」


 ギルさんとリリコさんが警戒する。やはりこの二人結構高いランクの冒険者だろうな。ま、今回の件はエリーが何かの加護を受けたのだろう。

 世界樹が喜んでいる気がする。


「おぉ。これはすげえな」


 ヴィルも何かを感じたのだろう。

 首に掛けているヴィルが珍しく興奮していた。


 首が絞まる…。


 俺の落ち着き払った顔を見て魔道士ギルは全て悟ったようだ。


「ふっ。俺の悪運もここまでの様だな」

「……まだ分かりませんよ」


「いや。お前の顔を見れば分かる。今のもあの姫さんがやったんだろ?」

「多分……ですが…」


 魔道士ギルの言いたい事は分かっている。

 役に立たない冒険者は時として消される対象にもなる。


「甘い」と言われるかもしれないが彼等を助けたいと心から思った瞬間だった。

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